「めざましテレビ」からの出演依頼があり、又も湯の華会がTVに顔を出す。


なんでも8月に入ってからの放映予定とか。


自転車に乗り、各所に花の種を蒔きながら日本一周するという企画で、愛嬌と体力自慢な湯の華会会員の一人に白羽の矢が当たった。


それ以外の会員は、湯本駅前で彼女の到着を待ち、エールを送るという役割。


せっかくだからと、急遽地元の伝統である「じゃんがら」を披露することとなった。


「じゃんがら」から身をひいて久しい私は、揃いのはっぴ姿でのお出迎え。


待つこと2時間。

徐々に観客も集まってきた。


ついに彼女が最後の角を曲がった。


「来た?]

「来た!」

「あ~だめだめ、そんなところに車を止めちゃ、自転車の邪魔になる。」

「あら、ホント、邪魔だわね。」

「早くどいてくれないかしら。」

「あっ、でも大丈夫、お店に品物を卸したら直ぐ出発するわよ。」

「それにしても早く卸してくれないかしら、自転車が来ちゃう。」

「いっそのこと卸すのを手伝っちゃおうか。」

「あっ、終わった終わった。」

「間に合った。」


「あらら、車が出たと思ったら、今度はちょっとほろ酔いかげんらしいおじさんが。」

「困ったねえ。」

「あっ、TV局の人がおじさんを退かした。」


「あら、見物人のおばさんがが身を乗り出してきた。」

「3人も一緒に。」

「どうしよう、気持ちはわかるけど。自転車が・・・。」

「カメラが。」

「ちょっとお、今度はおじさんが・・・」


「ねえ、来た?」

「キタ~。」

「来たって、みんな良~い?」

「せーの。」

「さ~よちゃ~ん。」

「お疲れ~。」

「ご苦労さ~ん。」


でんでこでこすってこでんこんでん・・・やっとじゃんがらが始まった。


以上、現場の様子をお伝え致しました。