11月に劇場鑑賞した20本目の作品となりました。2024年の今年は11月までで233本の作品を劇場鑑賞しています。ほぼ例年通りの作品数ですが、新作がどの程度の本数なのか…。今月末には新作を対象にして、例年通りベストテンは選ぶつもりです。
本日のブログ記事は、トマ・カイエが監督・脚本を手掛けたフランス映画『動物界』です。人間が様々な動物に変異してしまう奇病が発生した近未来を舞台に、苦悩する父と息子、そして家族の絆を描き、本国フランスで観客動員100万人を超えるヒットを記録したSFスリラー。ミッドランドスクエアシネマ2(シニア当日1,300円)。![]()
以下は映画『動物界』公式サイトに記載の紹介ストーリーです。
近未来。人類は原因不明の突然変異によって、徐々に身体が動物と化していくパンデミックに見舞われていた。"新生物"はその凶暴性ゆえに施設で隔離されており、フランソワ(ロマン・デュリス)の妻ラナもそのひとりだった。
しかしある日、移送中の事故によって、彼らは野に放たれる。フランソワは16歳の息子エミールとともにラナの行方を必死に探すが、次第にエミールの身体に変化が出始める…。人間と新生物の分断が激化するなかで、親子が下した最後の決断とは――![]()

映画は、人間が様々な動物に変異する奇病が蔓延している近未来という設定です。オープニング早々に、人間らしからぬ“鳥人”の登場があり、突然変異を描くアニマライズ・スリラーが幕開けする。それぞれに変異する動物は異なり、そこに不思議さはあるのですが、私なぞは出来れば変異する動物は自分で選びたい…と思いました。![]()
物語の軸となるのは、愛する妻が“新生物”となっても施設への隔離を強く拒む父親フランソワと、すでに母親への愛情を失いかけている息子エミール。父と息子の気持ちの齟齬と対立の描写から始まりますが、エミールの身体にも変異の兆候が表れる…。
フランス映画としては珍しいSFスリラーと思い鑑賞しましたが、人種差別、移民、感染症など現代的なテーマを内包した作品という印象を受けました。また隔離の対象となる妻や息子に対して、どこまでも献身的に尽くすロマン・デュリスの姿を見れば、やはり家族愛の映画かと…。父親の立場で見ると、胸に迫るものがあります。![]()
(2023年、監督・脚本/トマ・カイエ、脚本/ポリーヌ・ミュニエ、撮影/ダビ・カイエ、美術/ジュリア・ルメール、音楽/アンドレア・ラズロ・デ・シモーネ )
▼この映画を見ながら想起して頭を離れなかったのが、手塚治虫の原作をテレビドラマ化した「バンパイヤ」。狼に変異する主人公を演じたのは若き日の水谷豊。![]()



