エンニオ・モリコーネ特選上映

「エンニオ・モリコーネ特選上映」公式サイト

 

名古屋では首都圏よりも遅れて、今年8月にその企画上映が行われた「エンニオ・モリコーネ特選上映 Morricone Special Screening×2」。上映されたモリコーネが音楽を担当した2本の映画は、1971年製作のイタリア映画『死刑台のメロディ』(4Kリマスター・英語版)と、同じ時期の1970年の製作でありながら、今回が日本初公開の映画『ラ・カリファ』です。劇場は伏見ミリオン座(特別料金1,600円×2)。グッド!

 

エンニオ・モリコーネ特選上映 死刑台のメロディ

『死刑台のメロディ』(1971年、監督・脚本/ジュリアーノ・モンタルド、撮影/シルヴァーノ・イッポリティ、音楽/エンニオ・モリコーネ、歌/ジョーン・バエズ)

 

以下は「エンニオ・モリコーネ特選上映」公式サイトに記載の映画『死刑台のメロディ』の紹介ストーリーです。

 

1920年、イタリア移民への差別と労働問題が叫ばれていたボストン。靴職人のニコラ・サッコと魚行商人のバルトロメオ・ヴェンゼッティは、運悪く護身用のピストルを携帯していた廉で警察に逮捕される。

 

全くの事実無根にもかかわらず、イタリア移民のアナーキストという理由だけで、ふたりは身に覚えのない製靴会社の現金強盗殺人事件の容疑者にされてしまう。だが、裁判での証言・証拠はことごとく、彼らが犯人であることを示していた。やがて彼らに有罪の判決が下るが…。グー

 

エンニオ・モリコーネ特選上映 死刑台のメロディ

 

1920年代のアメリカで実際に起こった悪名高き冤罪事件“サッコ=ヴァンゼッティ事件”。その人種的、思想的差別と偏見に満ちた裁判の一部始終を、ジュリアーノ・モンタルド監督が冷徹な眼差しで描いた作品。イタリア移民のサッコ役のリカルド・クッチョーラが迫真の演技で、1971年度カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞。クラッカー

 

靴職人のサッコと魚行商人のヴァンゼッティは護身用のピストルを携帯して、イタリア移民の労働問題に関わっていたため逮捕される。そして、2人はまるで身に覚えがない製靴会社の現金強盗殺人犯とされ、次々と提示される証言や証拠によって有罪の判決を受けることに。冤罪を証明すべく弁護団も新たな事実や証拠を提示しますが…。

エンニオ・モリコーネが生み出した音楽は、美しくも物悲しい旋律。時代のうねりの中で死刑台に向かうことになる主人公2人の心象に添い遂げます。一方、公民権運動や反戦運動を支持した活動家としても知られるフォークシンガーのジョーン・バエズが主題歌「勝利への讃歌」と挿入歌の2曲を歌っており、強い印象を残します。パー

 

エンニオ・モリコーネ特選上映 死刑台のメロディ

 

 

 

                                  

 

ラ・カリファ

『ラ・カリファ』(1970年、監督・脚本/アルベルト・ベヴィラクア、撮影/ロベルト・ジェラルディ、音楽/エンニオ・モリコーネ)

 

以下は「エンニオ・モリコーネ特選上映」公式サイトに記載の映画『ラ・カリファ』の紹介ストーリーです。

 

ストライキでイタリアが混乱する中、イレーネ(ロミー・シュナイダー)の夫は殺害され、彼女は亡き夫に変わって労働者たちの情熱的な先導者となった。 イレーネはかつて同じ仲間だった工場経営者のドベルド(ウーゴ・トニャッツィ)と対立するが、聡明なドベルトの考え方に共鳴するうち、いつしか彼にひかれていく。互いの立場の違いを抱えながらもふたりは逢瀬を重ねていくが、やがて悲劇が彼らを襲う。爆弾

 

ラ・カリファ

 

亡き夫の遺志を継いでストライキのリーダーとなった女性が、かつての仲間であった工場長の男性と対立しながらも次第に惹かれ合っていく姿を描いた社会派(?)のメロドラマ。主演はこの後ヨーロッパを代表する大女優となるロミー・シュナイダー。監督は小説家出身で、本編で監督デビューを果たしたアルベルト・ベヴィラクア。DASH!

 

1970年にイタリアで製作された作品ですが、今回の特集上映が日本での初公開です。入場記念に渡された本編の宣伝チラシには「これぞモリコーネ音楽の最高峰!」「ロミー・シュナイダー主演  幻の未公開作」と惹句が躍っています。多少オブラートに包み感想を申し上げれば、“未公開”になるにはそれなりに意味がある…ということ。

 

社会的な図式と男女の恋愛感情が交錯し、理解しづらい挿入シーンがあるなど、上映時間91分でありながらストレスを抱く鑑賞になりました。30代を迎えて間もないシュナイダーは、その美しい肉体を披露して熱演していますが、この作品における真の主役は、モリコーネの生み出した甘美なメロディの音楽…と言ったら言い過ぎでしょうか。耳に馴染んでいた本編のテーマ曲ですが、その作品を見てスッキリです。グッド!

 

ラ・カリファ

 


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