いずれも5月に伏見ミリオン座で見たドキュメンタリ―映画です。1本目の映画『マリウポリの20日間』は、ロシアによるウクライナ侵攻開始からマリウポリ壊滅までの20日間を記録したドキュメンタリー。今年の第96回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞し、ウクライナ映画史上初のアカデミー賞受賞作となった作品です。

 

2本目の映画『劇場版 再会長江』は、中国・南京在住でインフルエンサーとして活躍しながら、リアルな中国の社会や文化を捉えたドキュメンタリー作品を手掛ける日本人監督の竹内亮が、大河・長江を再び題材として撮り上げたドキュメンタリー作品。劇場は伏見ミリオン座(シニア会員1,200円と、10ポイント獲得の無料鑑賞)。グッド!
 

マリウポリの20日間

『マリウポリの20日間』公式サイト

 

以下は映画『マリウポリの20日間』公式サイトに記載の紹介ストーリー(一部)です。

 

2022年2月、ロシアがウクライナ東部に位置するマリウポリへの侵攻を開始。これを察知したAP通信のウクライナ人記者であるミスティスラフ・チェルノフは、仲間とともに現地に向かった。ロシア軍の容赦のない攻撃による断水、食料供給、通信遮断…瞬く間にマリウポリは包囲されていく。メラメラ


海外メディアが次々と脱出していく中、彼らはロシア軍に包囲された市内に残り、死にゆく子供たちや遺体の山、産院への爆撃など、侵攻するロシアによる残虐行為を命がけで記録し、世界に発信し続けた。―― 

 

マリウポリの20日間

 

タイトルに「20日間」とありますから、1日1日が経過していくほどにマリウポリを取り巻く状況は厳しいものになっていきます。戦火を受けるマリウポリとその惨状を世界に伝えるため、チェルノフたちはロシア軍に包囲された市内に留まり続け、戦火にさらされた人々の惨状を命がけで記録していく。その画像データを送信できるのも限られた場所のようで、送信をするためには危険なエリアに踏み込むことになる。あせる

 

徐々に追い詰められていく中、取材班はウクライナ軍の援護によって、何とか市内から脱出します。この映画は、チェルノフが現地から配信したニュースや、取材チームが撮影した戦時下のマリウポリ市内の映像により構成されています。日本では2023年にNHK BSで「実録 マリウポリの20日間」のタイトルで放映されているようです。

 

市内の惨状を伝えるための撮影場所となるのが病院ですが、死にゆく子供たちや悲嘆にくれる親たち、あるいは産院への爆撃など、目を覆いたくなるシーンが続きます。その中、同じく被災を受けているマリウポリの住人が、スーパーマーケットに押し入って略奪する行為の映像があり、戦争の“残虐性”をさらに際立たせていました。パー

 

(2023年、監督・脚本・撮影/ミスティスラフ・チェルノフ、編集/ミッチェル・マイズナー、音楽/ジョーダン・ダイクストラ、音楽/ジョーダン・ダイクストラ)

マリウポリの20日間

 

 

 

                                  

 

劇場版 再会長江

『劇場版 再会長江』公式サイト

 

中国の長江は、上海、南京、武漢、重慶、雲南、チベット高原まで、広大な中国大陸を横断する、全長6300kmのアジア最大の大河。10年前にNHKの番組で長江を撮った日本人監督の竹内亮は、その時に、北極・南極に次ぐ地球第三の極地と呼ばれるチベット高原にある、長江源流の“最初の一滴”を撮れなかったことに悔いを残します。

 

それから10年が経ち、日本から中国南京市に移住し、長江沿いの住民になった竹内が2021年から2年かけて再び長江6300kmを遡る“映像の旅”に出ます。旅の途中で10年前に撮影した友人たちと再会しながら、一本の大河を通して中国の10年の変化を見つめるとともに、今回こそ“最初の一滴”を撮影しようと長江の源流を目指します。あし

 

劇場版 再会長江

 

第28回中国ドキュメンタリ一長編映画のベストテン選出、第12回中国ドキュメンタリ一・アカデミ一賞へのノミネ一トと『再会長江』は中国全土で旋風を卷き起こした話題作。この『再会長江』を新たに再編集した新作が映画『劇場版 再会長江』です。監督を務めているのは日本人の竹内亮ですが、作品としては中国映画になります。カチンコ

 

経済大国として世界を牽引する中国のここ10年。巨大ダムの建設により、大河の流域も大きな様変りをしています。島国ニッポンからは想像できないようなドラスティックな変貌は、共産党の一党独裁だからという理由だけではない“何か”もあるかな…。

 

中国の母なる長江を辿るということは、そこに暮らす様々な民族の人々と交流をすることになる。10年前にその土地ごとで出会った人たちとの“再会”を、竹内監督は願ってやみません。恥じらう無口な少女が、母となり逞しく美しく生きる姿など、10年前の「長江」での映像があるからこそ、本編の映像が価値ある輝きを放ちます。パー

 

(2024年、監督/竹内亮、ナレーション/小島瑠璃子)

劇場版 再会長江

 


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