4月に劇場鑑賞の新作映画2本です。1本目の映画『アイアンクロー』は、鉄の爪=アイアンクローを得意技としたアメリカの伝説的なプロレスラー、フリッツ・フォン・エリックを父に持ち、プロレスの道を歩むことになった兄弟たちの実話をベースに描いたドラマ。“呪われた一家”と呼ばれることになる一家の栄光と悲劇を描きます。
 

2本目の映画『異人たち』は、日本を代表する名脚本家・山田太一の長編小説「異人たちとの夏」を、現代のイギリスに舞台を移して『荒野にて』『さざなみ』のアンドリュー・ヘイ監督が映画化。劇場は伏見ミリオン座(シニア会員1,200円×2)。グッド!

 

アイアンクロー

『アイアンクロー』公式サイト

 

以下は映画『アイアンクロー』公式サイトに記載の紹介ストーリーです。

 

1980年初頭、プロレス界に歴史を刻んだ“鉄の爪”フォン・エリック家。父フリッツ(ホルト・マッキャラニー)は元AWA世界ヘビー級王者。そんな父親に育てられた息子の次男ケビン(ザック・エフロン)、三男デビッド(ハリス・ディキンソン)、四男ケリー(ジェレミー・アレン・ホワイト)、五男マイク(スタンリー・シモンズ)ら兄弟は、父の教えに従いレスラーとしてデビュー、“プロレス界の頂点”を目指す。

 

しかし、デビッドが日本でのプロレスツアー中に急死する。さらにフォン・エリック家はここから悲劇に見舞われる。すでに幼い頃に長男ジャックJr.を亡くしており、いつしか「呪われた一家」と呼ばれるようになったその真実と、ケビンの数奇な運命とは―― 叫び

 

アイアンクロー アイアンクロー

 

プロレスに対して、ある時期からまったく興味を失っている私ですが、小学生の頃はやはりテレビのプロレス中継を熱心に見ていました。ですから、私が知るのは来日して“ヒール”として登場していた父親の“鉄の爪”フリッツ・フォン・エリックです。グー

 

映画『アイアンクロー』のドラマの軸となっているのは、ザック・エフロンが演じる次男ケビン。父親の教えに従い、三男デビッド、四男ケリー、五男マイクもまたプロレスラーとしてデビューします。しかし、世界ヘビー級王座戦への指名を受けたデビッドは日本ツアー中に急死、王座のタイトルを獲得したケリーも交通事故に遭ったことから最後は自死の道を選びます。ケビンの兄弟は若くして亡くなっていきます。

 

1980年代の日本のプロレス界へは、ケビンやケリーは来日して新日本プロレスのツアーに参戦しているようですが、その頃の記憶は私にはまったくありません。ネットで調べるとケビンの誕生日は1957年5月15日(!)、今日が67歳の誕生日。一度はプロレス界から身を引きますが、現在は彼の2人の息子がプロレスラーとして活躍しています。最強を追い求めるフォン・エリック一家の“血脈”は今も繋がっています。パー

 

(2023年、監督・脚本/ショーン・ダーキン、撮影/エルデーイ・マーチャーシュ、美術/ジェームズ・プライス、音楽/リチャード・リード・パリー)

アイアンクロー

 

 

 

                                  

 

異人たち

『異人たち』公式サイト

 

以下は映画『異人たち』公式サイトに記載の紹介ストーリーです。

 

夜になると人の気配が遠のく、ロンドンのタワーマンションに一人暮らす脚本家アダム(アンドリュー・スコット)は、偶然同じマンションの謎めいた住人、ハリー(ポール・メスカル)の訪問で、ありふれた日常に変化が訪れる。

 

ハリーとの関係が深まるにつれて、アダムは遠い子供の頃の世界に引き戻され、30年前に死別した両親が、そのままの姿で目の前に現れる。想像もしなかった再会に固く閉ざしていた心が解きほぐされていくのを感じるのだったが、その先には思いもしない世界が広がっていた…。メラメラ

 

異人たち 異人たち

 

12歳の時に交通事故で両親を亡くし、孤独な人生を歩んできた40歳の脚本家アダム。ロンドンのタワーマンションに住む彼は、両親の思い出をもとにした脚本の執筆に取り組んでいる。ある日、幼少期を過ごした郊外の家を訪れると、そこには30年前に他界した父と母が当時のままの姿で暮らしていた。そこから夢のような交流が始まる。

 

彼は実家に通っては両親のもとで安らぎの時を過ごし、心が解きほぐされていく。その一方で、同じマンションの住人である謎めいた青年ハリーと恋に落ちますが、昔ながらの家族観を持つ両親、ことに母親からはその関係に肯定的な発言はない…。

 

山田太一の原作は読んでいませんが、1988年に大林宣彦監督が映画化した『異人たちとの夏』は見ています。大林作品は舞い戻る世界がノスタルジックな“浅草”で魅力的でしたが、後半の展開が妙なオカルト映画のようになっていて戸惑いました。アンドリュー・ヘイの本編は、現代人の孤独を色濃く反映した一編に仕上がっています。パー

 

(2023年、監督・脚本/アンドリュー・ヘイ、原作/山田太一、撮影/ジェイミー・D・ラムジー、美術/サラ・フィンレイ、編集/ジョナサン・アルバーツ)

異人たち

 


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