3月に見た日本映画の新作2本です。1本目の映画『52ヘルツのクジラたち』は、2021年の本屋大賞を受賞した町田そのこの同名ベストセラー小説を、杉咲花主演で映画化したヒューマンドラマ。監督は『八日目の蝉』『銀河鉄道の父』の成島出です。

2本目の映画『マッチング』は、マッチングアプリによる出会いから始まる恐怖をオリジナルのストーリーで描いたサスペンス。『ミッドナイトスワン』の内田英治が原作・脚本・監督を務めています。主人公の輪花を演じるのは土屋太鳳。劇場はミッドランドスクエアシネマ2(シニア当日1,300円、8ポイント獲得の無料鑑賞)。グッド!
 

52ヘルツのクジラたち

『52ヘルツのクジラたち』公式サイト

 

以下は映画『52ヘルツのクジラたち』公式サイトに記載の紹介ストーリーです。

 

傷を抱え、東京から海辺の街の一軒家へと移り住んできた貴瑚は、虐待され、声を出せなくなった「ムシ」と呼ばれる少年と出会う。かつて自分も、家族に虐待され、搾取されてきた彼女は、少年を見過ごすことが出来ず、一緒に暮らし始める。

 

やがて、夢も未来もなかった少年に、たった一つの“願い”が芽生える。その願いをかなえることを決心した貴瑚は、自身の声なきSOSを聴き取り救い出してくれた、今はもう会えない安吾とのかけがえのない日々に想いを馳せ、あの時、聴けなかった声を聴くために、もう一度立ち上がる──。あし

 

52ヘルツのクジラたち 52ヘルツのクジラたち

 

杉咲花が演じる貴瑚を救おうとするアンさんこと岡田安吾を志尊淳、貴瑚の初めての恋人となる上司・新名主税を宮沢氷魚が演じています。構図的(?)にはメロドラマの定番の三角関係のようでありながら、まったく異なる世界を描く作品です。DASH!

 

原作小説が2021年の本屋大賞の受賞で話題になった頃、連れ合いが図書館でその本を借り出してきてました。「52ヘルツのクジラたち」という不思議なタイトルが、かなり気になりましたが、その折には特に訊ねることも調べることもありませんでした。

 

劇中で「52ヘルツのクジラ」とは、他のクジラが聞き取れないほど高い周波数で鳴く世界で1頭だけの孤独なクジラというような説明がありました。現代の日本社会における育児放棄やDV、さらにLGBTQの問題を内在させた作品で、ヒロインの貴瑚が決断して選択する生き方。そこに“未来”を見つめるような意図を感じる作品です。パー

 

(2024年、監督/成島出、脚本/龍居由佳里、原作/町田そのこ、撮影/相馬大輔、照明/佐藤浩太、録音/藤本賢一、美術/太田仁、音楽/小林洋平)

52ヘルツのクジラたち

 

 

 

                                  

 

『マッチング』公式サイト

 

以下は映画『マッチング』公式サイトに記載の紹介ストーリーです。

 

ウェディングプランナーとして仕事が充実している一方、恋愛に奥手な輪花(土屋太鳳)は、同僚の尚美(片山萌美)の後押しでマッチングアプリに登録をすることに。
勇気を出して一歩踏み出し、デートに臨んだ輪花だったが、現れたのはプロフィールとは別人のように暗い男・吐夢(佐久間大介)だった。


その後も執拗にメッセージを繰り返し送る吐夢に恐怖を感じた輪花は、取引先でマッチングアプリ運営会社のプログラマー影山(金子ノブアキ)に助けを求めることに。
しかし時を同じくして”アプリ婚”した夫婦が惨殺される事件が連続して発生。被害者たちが輪花の勤める結婚式場で式を挙げていることが判明するのだったー。
叫び

 

 

 

作品の“ツカミ”として見せられるのは“アプリ婚”した夫婦を狙った残虐な連続殺人事件。ドラマはそこからウェディングプランナーとして働く輪花の日常と家族の物語へと転じます。仕事は充実しながらも恋愛音痴な輪花は、職場の友人に薦められてマッチングアプリに登録したことから、不気味な男から迫られ続けることになる。

 

彼女は仕事で知り合ったマッチングアプリ運営会社のプログラマーの影山に助けを求めるのですが、彼にも秘めた内面がある感じ…。「アプリ婚連続殺人事件」の捜査があまりにも進展しない警察の無能ぶりを見ていて、この内田作品は“韓国映画か~”と妙なツッコミを入れたくなりましたが、犯人が誰かというのはさしたる問題ではないような気もします。斉藤由貴の登場に意外感がありましたが、納得の展開です。パー

 

(2024年、監督・脚本・原作/内田英治、脚本/宍戸英紀、撮影/野口健司、照明/後閑健太、録音/栗原和弘、美術/太田仁、音楽/小林洋平)

 


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