2月の終盤に伏見ミリオン座で見た2本の新作映画です。1本目の映画『ボーはおそれている』は、『ミッドサマー』の鬼才アリ・アスター監督と『ジョーカー』『ナポレオン』のホアキン・フェニックスがタッグを組み、怪死した母のもとへ帰省しようとした男が奇想天外な“旅”に巻き込まれていく姿を描いたスリラー的(?)な作品。
 

2本目の映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』は、『ジョジョ・ラビット』『マイティ・ソー』シリーズのタイカ・ワイティティ監督が、“世界最弱”といわれた米領サモアの代表チームがワールドカップ予選で起こした奇跡のような実話をもとに映画化。

劇場は伏見ミリオン座(シニア会員1,200円と、10ポイント獲得の無料鑑賞)。グッド!

 

ボーはおそれている

『ボーはおそれている』公式サイト

 

以下は映画『ボーはおそれている』公式サイトに記載の紹介ストーリーです。

 

日常のささいなことでも不安になる怖がりの男ボーはある日、さっきまで電話で話していた母が突然、怪死したことを知る。母のもとへ駆けつけようとアパートの玄関を出ると、そこはもう“いつもの日常”ではなかった。これは現実か? それとも妄想、悪夢なのか? 次々に奇妙で予想外の出来事が起こる里帰りの道のりは、いつしかボ ーと世界を徹底的にのみこむ壮大な物語へと変貌していく。メラメラ

 

ボーはおそれている

 

映画の冒頭、暗闇に遠くから女の騒ぐ声が聞こえる。やがてぼんやりとした映像が浮かび始めて、これが胎児の側から見た(おそらくは主人公ボー本人の)出産シーンだとわかります。そして場面は、十分にオッサンとなったボーの現在となります。DASH!

 

セラピストから精神安定の薬を処方されたボーは、荒んだ街の老朽化したアパートに戻ります。建物の周辺はホームレスや全身タトゥー男、ドラッグ中毒っぽいヤバい連中が半裸で徘徊する。オンボロのアパートには壊れかけたエレベーター、爆音で音楽を深夜に流す隣人、逃げ出した毒蜘蛛、おまけに断水で薬を服用する水がない…。

 

ボーの妄想なのか、悪夢のような現実なのか判然としませんが、父の命日に実家に帰るフライトに乗れず、母の急死の報せも届く…。それでも母がいるだろう実家への旅をめざすという、奇妙なロードムービーが繰り広げられます。悪夢を紡ぐための悪夢が続くような“ドグラマグラ”的な世界。私にはかなりツラい3時間の鑑賞でした。パー

 

(2023年、監督・脚本/アリ・アスター、撮影/パベウ・ポゴジェルスキ、美術/フィオナ・クロンビー、衣装/アリス・バビッジ、編集/ルシアン・ジョンストン)

ボーはおそれている

 

 

 

                                  

 

ネクスト・ゴール・ウィンズ

『ネクスト・ゴール・ウィンズ』公式サイト

 

以下は『ネクスト・ゴール・ウィンズ』公式サイトに記載の紹介ストーリーです。

 

2001年、ワールドカップ予選史上最悪の0-31の大敗を喫して以来、1ゴールも決められていない米領サモアチームに、次の予選が迫っていた。破天荒な性格でアメリカを追われた鬼コーチ、トーマス・ロンゲン(マイケル・ファスベンダー)が就任し、立て直しを図るが、果たして奇跡の1勝は挙げられるのか !?

 

ネクスト・ゴール・ウィンズ

 

米領サモアのサッカー代表チームは、2001年にワールドカップ予選史上最悪の0対31の大敗を喫して以来、1ゴールも決めることができずにいた。10年以上FIFAランキング最下位のチーム。そんな彼らが2014年のワールドカップ・ブラジル大会予選で初勝利を挙げたエピソードは、当時話題にもなりドキュメンタリー映画にもなりました。

 

予選を前にして代表チームが新しいコーチに迎えたのは、破天荒な性格のためアメリカを追われたトーマス・ロンゲン。チームの立て直しを図るため熱血指導を発揮し始めますが、のどかな島国に暮らすアマチュア集団の選手たちとはソリが合わない。

 

そのあたりの生活習慣や価値観の違いから対立が生まれますが、双方の間にあった溝を埋める存在なのがトランスジェンダーの代表選手。ハートウォーミングなコメディタッチな作品に仕上がっています。W杯予選の初勝利のシーンの描写も、スポーツドラマ的に感動的に見せるのではなく、ヒネリが効いていて良かったです。パー

 

(2023年、監督・脚本・製作/タイカ・ワイティティ、脚本/イアン・モリス、撮影/ラクラン・ミルン、美術/ラ・ビンセント、音楽/マイケル・ジアッキノ)

ネクスト・ゴール・ウィンズ

 


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