2月にスクリーン鑑賞した韓国映画の2本立て記事です。1本目の映画『ジェントルマン』は、『暗数殺人』『神と共に』シリーズのチュ・ジフンが主演を務め、誘拐犯の濡れ衣を着せられた探偵が検事になりすまして事件の捜査に挑む姿を描いたクライムエンターテイメント。ミッドランドスクエアシネマ2(シニア当日1,300円)。


2本目の映画『梟  フクロウ』は、17世紀の朝鮮王朝時代の記録文献「仁祖実録」に記された“怪奇の死”にまつわる謎を題材に、盲目の目撃者が謎めいた死の真相を暴くため奔走する姿を緊張感たっぷりに描いた宮廷劇。韓国で大ヒットを記録し、数々の映画賞を受賞したサスペンス・スリラー。伏見ミリオン座(シニア会員1,200円)。グッド!
 

ジェントルマン

『ジェントルマン』公式サイト

 

以下は映画『ジェントルマン』公式サイトに記載の紹介ストーリー(一部)です。

 

依頼された事件は100%解決するという興信所の社長チ・ヒョンス(チュ・ジフン)。犬を捜しに依頼人と向かったペンションで、謎の男に襲われ意識を失ってしまう。途切れた記憶、消えた依頼人。気がつくと誘拐事件の容疑者にされていた。なすすべもなく逮捕されたが、ひょんなことから検事と誤解されてしまうヒョンス。DASH!

 

消えた依頼人を捜すため、検事になりすまして捜査を始める中、別名“監察部のイカれ女”ことキム・ファジン検事(チェ・ソンウン)と出会う。やがて事件の裏に大手法律事務所の社長クォン・ドフン(パク・ソンウン)が関わっていることを知る。――

 

ジェントルマン ジェントルマン

 

少女誘拐事件の濡れ衣を晴らしたいヒョンスと、かつて捕まえ損ねたドフンにリベンジを果たしたいファジン。それぞれの目的のため手を組むことになる2人は、大手法律事務所の卑劣な犯罪を暴こうとするのだが、ドフンの周りには強大な権力が…。パンチ!

 

大手法律事務所の社長ドフンに扮しているのは、『新しき世界』『配信犯罪』などにも出演する韓国を代表する名バイプレーヤーの一人、パク・ソンウン。品よく洗練されたソフトな外見でありながら、チュ・ジフン演じるヒョンスと対峙する際には、冷酷無比な“裏の顔”を容赦なく見せ、悪役として見事な二面性を発揮しています。

 

韓国映画らしい予測できない大胆でスピーディーなドラマ展開と、スタイリッシュな映像で繰り広げられる本編。 “イカれ女”検事に扮するチェ・ソンウンや、ユーモラスな魅力を持ったキャラクターとして終始するチェ・ジフンには“困難”はないという感じで、最後は“悪人”を痛快に懲らしめるエンタメ作品として見事に着地します。パー

 

(2022年、監督・脚本/キム・ギョンウォン、撮影/ピョン・ボンソン、美術/チョ・ファソン、音楽/タル・パラン)

ジェントルマン

 

 

 

                                  

 

梟 フクロウ

『梟 フクロウ』公式サイト

 

以下は映画『梟  フクロウ』公式サイトに記載の紹介ストーリーです。

 

盲目の天才鍼師ギョンス(リュ・ジュンヨル)は、病の弟を救うため、誰にも言えない秘密を抱えながら宮廷で働いている。しかし、ある夜、王の子の死を“目撃”し、恐ろしくも悍ましい真実に直面する。見えない男は常闇に何を見たのか?

 

追われる身となったギョンスは、制御不能な狂気が迫る中、昼夜に隠された謎を暴くために闇夜を駆ける。絶望までのタイムリミットは、朝日が昇るまで。爆弾

 

梟 フクロウ

 

物語の中心人物は、リュ・ジュンヨルが演じる盲目の鍼師ギョンス。宮廷で高貴な人物に直接触れる機会のある彼は、「誰にも言えない秘密を抱えながら宮廷で働いている」とあります。やがて彼は「王の子の死を“目撃”」したことで、わが身も危険に陥ることになる。盲目の人物が死の現場を“目撃”するとは、どういうことなのか。はてなマーク

 

個人的にはネタバレとは解釈していませんので、ギョンスの「秘密」について記述を続けます。周囲の誰もが認める盲目のギョンスですが、実は彼は完全な盲目ではなく光のある場では何も見えないのですが、闇に近い状態であれば、わずかに周囲の世界が見えるのです。ですので、闇の中で医術の勉学のために筆を執ることもできる。

 

映画が中盤に差し掛かった頃になり、私はようやく本編の邦題『梟  フクロウ』というのが腑に落ちたわけです。夜目にだけ目が見えるという主人公。彼が偶然に遭遇した偽装殺人の現場ですが、その殺人の背景になっているのは王位という特権に執着する男の妄想に近い感情といえます。最終盤の復讐劇は“オマケ”的な印象が強いです。パー

 

(2022年、監督・脚本/アン・テジン、撮影/キム・テギョン、編集/キム・サンミン、音楽/ファン・サンジュン)

梟 フクロウ

 


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