1月前半に伏見ミリオン座で鑑賞した2本の作品です。2月に到達するのはしばらく先かな。1本目の映画『Winter boy』は、フランスのクリストフ・オノレ監督が自身の少年時代を題材に、思春期の恋愛や父の死による喪失と再生を描いた半自伝的映画。
 

2本目の映画『ファースト・カウ』は、アメリカのインディペンデント映画界で高く評価されるケリー・ライカート監督が、西部開拓時代のアメリカで成功を夢みる2人の男の友情を、アメリカの原風景を切り取った美しい映像と心地よい音楽にのせて描いた作品。伏見ミリオン座(10ポイント獲得の無料鑑賞とシニア会員1,100円)。グッド!
 

Winter boy

『Winter boy』公式サイト

 

以下は映画『Winter boy』公式サイトに記載の紹介ストーリーです。

 

冬のある夜、17歳のリュカは寄宿舎からアルプスの麓にある家に連れ戻される。父親が事故で急死したのだ。大きな悲しみと喪失感を抱えるリュカ。葬儀の後、はじめて訪れたパリで、兄の同居人で年上のアーティスト、リリオと出会う。音譜

 

優しいリリオにリュカは心惹かれるが、彼にはリュカに知られたくない秘密があった。そして、パリでの刺激的な日々が、リュカの心に新たな嵐を巻き起こす―。

 

Winter boy

 

寄宿舎で暮らす17歳の少年リュカは父が事故死したとの連絡を受け、アルプス山麓の実家に帰る。愛する父の死に直面し、大きな悲しみと喪失感にさいなまれるリュカ。葬儀の後、兄に連れられてパリを訪れたリュカは、兄の同居人である年上のアーティスト、リリオと出会う。優しいリリオに心惹かれていくリュカだったが…。あせる

同級生とのボーイズラブから年上の男性への思慕の感情まで、主人公リュカを繊細にそして大胆に演じているのは、俳優イレーヌ・ジャコブを母に持つ新星ポール・キルシェ。『イングリッシュ・ペイシェント』『ショコラ』のジュリエット・ビノシュが彼の母親役、『アマンダと僕』のバンサン・ラコストが兄役を演じています。

 

自身のセクシャリティをオープンにしてのクリストフ・オノレの監督作品。同性に対する抑えがたい感情にまとわりつくように、唐突に訪れた父親の死と不在が描かれます。いずれなすべき“父越え”を迎える前の彷徨を描いているような作品。その頃の主人公を“冬”の時期と捉えられるとすれば、すでに“父越え”はなされていますね。パー

 

(2022年、監督・脚本/クリストフ・オノレ、撮影/レミー・シェブラン、美術/ジェレミー・ストルリスキ、編集/シャンタル・イマン、音楽/半野喜弘)

Winter boy

 

 

 

                                  

 

ファースト・カウ

『ファースト・カウ』公式サイト

 

以下は映画『ファースト・カウ』公式サイトに記載の紹介ストーリーです。

 

物語の舞台は1820年代、西部開拓時代のオレゴン。アメリカン・ドリームを求めて未開の地にやってきた料理人のクッキーと、中国人移民のキング・ルー。


共に成功を夢見る2人は自然と意気投合し、やがてある大胆な計画を思いつく。それは、この地に初めてやってきた“富の象徴”である、たった一頭の牛からミルクを盗み、ドーナツで一攫千金を狙うという、甘い甘いビジネスだった――ビックリマーク

 

ファースト・カウ

 

西部開拓時代のオレゴン州。そこはアメリカンドリームを求めて人々が集まる、いまだ未開の地。そこへ流れつくようにやって来た料理人のクッキーは、中国人移民のキング・ルーと出会います。やがて仲良くなった2人は、この地に初めてやってきた“富の象徴”である牛からミルクを盗み、ドーナツを作って売るという計画を思いつく。DASH!

 

映画で描かれるのは、およそ200年ほど前のアメリカ・オレゴン州。開拓半ばともいうべき村落ですが、生活に必要な物の売買は欠かすことはできない。2人はその土地の“市場”ともいう場所で、ドーナツの販売を始めると大きな人気を得ます。原材料のミルクが、この地の実力者の飼う牛からの“盗品”。発覚すれば報復は免れない…。

映画のオープニングは、現代を舞台にした人骨2体の発掘シーン。作品の終盤に進むほどに、2人の主人公の悲惨な末路を想像しましたが、実際には味わい深いエンディングとなっています。ケリー・ライカートの作品は特集上映や新作の『ショーイング・アップ』を見ていますが、今のところこの『ファースト・カウ』が一番好きです。パー

 

(2019年、監督・脚本/ケリー・ライカート、脚本/ジョナサン・レイモンド、撮影/クリストファー・ブロベルト、音楽/ウィリアム・タイラー)

ファースト・カウ

 


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