11月に見た日本映画の新作2本です。1本目の映画『正欲』は、第34回柴田錬三郎賞を受賞した朝井リョウの同名ベストセラー小説を、『あゝ、荒野』『前科者』の監督・岸善幸が映像化しています。劇場は伏見ミリオン座(シニア会員1,100円)。

 

2本目の映画『法廷遊戯』は、第62回メフィスト賞を受賞した作家・弁護士の五十嵐律人による法廷ミステリー小説を、「King & Prince」の永瀬廉主演で深川栄洋監督がメガホンを取った作品。ミッドランドスクエアシネマ(シニア当日1,300円)。グッド!

 

正欲

『正欲』公式サイト

 

以下は映画『正欲』公式サイトに記載の紹介ストーリー(一部)です。

 

横浜に暮らす検事の寺井啓喜は、息子が不登校になり、教育方針を巡って妻と度々衝突している。広島のショッピングモールで販売員として働く桐生夏月は、実家暮らしで代わり映えのしない日々を繰り返している。ある日、中学のときに転校していった佐々木佳道が地元に戻ってきたことを知る。

 

ダンスサークルに所属し、準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋大也。学園祭でダイバーシティをテーマにしたイベントで、大也が所属するダンスサークルの出演を計画した神戸八重子はそんな大也を気にしていた。同じ地平で描き出される、家庭環境、性的指向、容姿     様々に異なる背景を持つこの5人。だが、少しずつ、彼らの関係は交差していく。―― メラメラ

 

正欲 正欲

 

広島のショッピングモールで契約社員として働きながら実家で代わり映えのない日々を過ごす夏月(新垣結衣)は、中学の時に転校していった佳道(磯村勇斗)が地元に戻ってきたことを知る。二人にはお互いの内面をどこかで不思議に理解している。目

 

一方、東京の大学のダンスサークルに所属する大也(佐藤寛太)は、学園祭の企画実施をきっかけに自分に近づこうとする八重子(東野絢香)を拒絶するように、心を誰にも開かずにいる。そして、横浜に暮らす検事の寺井(稲垣吾郎)は不登校になった息子をめぐり、妻と衝突を繰り返しているが、息子の内面を理解することはない。

 

暮らす場所も取り巻く環境も異なる5人ですが、やがてSNSと犯罪事件との関りにより接点を持つことになる。原作通りの映画タイトル『正欲』ですが、“性欲”をもじった不思議なタイトルという印象でしたが、その意図したところは理解できました。私個人の“性欲”が正しいかどうかは、親にも友人にも教えてもらっていません(汗)パー

 

(2023年、監督・編集/岸善幸、脚本/港岳彦、原作/朝井リョウ、撮影/夏海光造、照明/高坂俊秀、録音/森英司、美術/井上心平、音楽/岩代太郎)

正欲

 

 

 

                                  

 

法廷遊戯

『法廷遊戯』公式サイト

 

弁護士を目指してロースクールに通うセイギこと久我清義(永瀬廉)と、同じ学校で法律を学ぶ幼馴染みの織本美鈴(杉咲花)、2人の同級生でロースクールの学生たちが行う「無辜(むこ)ゲーム」と呼ばれる模擬裁判を司る天才・結城馨(北村匠海)は共に勉強漬けの毎日を送っていた。やがて無事に司法試験に合格し、弁護士となった清義のもとに、ある時、馨から久々に「無辜ゲーム」をやろうという誘いがくる。DASH!

 

法廷遊戯 法廷遊戯

 

しかし、呼び出された場所へ行くとそこには血の付いたナイフをもった美鈴と、すでに息絶えた馨の姿があった…。模擬裁判のゲームを予定していたはずなのに、1人が死者となり、1人は被告人、もう1人は弁護士となる。本物の裁判劇がスタートすることになりますが、3人をめぐる過去が次第に明らかになり、事態は二転三転していく。

 

現職の弁護士である五十嵐律人のミステリー小説であるということ。これは相互訪問するブロガーのパンクフロイドさんの記事により知っていました。ですので、法廷劇としてのドラマの進行は、興味深く見ることができましたが、永瀬廉と杉咲花の関係性や実在感がスクリーンを通すと希薄になるような印象で…。ただ、杉咲花という女優の演技には目を見張られるものがあり、今後の活動にも大いに注目です。パー
 

(2023年、監督/深川栄洋、脚本/松田沙也、原作/五十嵐律人、撮影/石井浩一、照明/椎原教貴、録音/矢野正人、編集/坂東直哉、音楽/安川午朗)

法廷遊戯

 


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