BAD LANDS バッド・ランズ

『BAD LANDS バッド・ランズ』公式サイト

 

大阪を舞台に安藤サクラと山田涼介が特殊詐欺を生業とする姉弟役を演じたクライムサスペンス『BAD LANDS バッド・ランズ』。『ヘルドッグス』『関ヶ原』の原田眞人が監督・脚本・プロデュースを務めていますが、原作は関西を舞台にした作品を書き続けている作家・黒川博行の「勁草」。タイトルは大きく改められています。

 

原作者の黒川博行の小説は“大阪府警シリーズ”など大好きで、創元推理文庫で出ている作品はほとんど読んでいます。登場人物たちのテンポの良い関西弁のやり取りが、何よりも小気味よいのが魅力で、この映画も監督のネームではなく、原作者のネームで鑑賞した次第です。ミッドランドスクエアシネマ2(シニア当日1,300円)。グッド!

 

BAD LANDS バッド・ランズ

 

以下は映画『BAD LANDS バッド・ランズ』の宣伝チラシに記載の紹介ストーリーです。

 

<持たざる者>が<持つ者>から生きる糧を掠め取り生き延びてきたこの地で、特殊詐欺に加担するネリ(安藤サクラ)と弟・ジョー(山田涼介)。二人はある夜、思いがけず“億を超える大金”を手にしてしまう。

 

金を引き出す…ただそれだけだったはずの2人に迫る様々な巨悪。果たして、ネリとジョーはこの<危険な地>から逃れられるのか。DASH!

 

BAD LANDS バッド・ランズ

 

特殊詐欺グループの名簿屋という裏の顔を持つNPO法人理事長を生瀬勝久、大阪府警で特殊詐欺の捜査をする刑事・佐竹を吉原光夫、特殊詐欺合同特別捜査班の班長を江口のりこが演じています。さらに幼い頃からネリのことをよく知る、老人性の痴呆症に身を預けたような元ヤクザを宇崎竜童が演じ、終盤には際立つ“活躍”を見せます。

 

生きにくい社会をその裁量で、したたかに逞しく生きるヒロインのネリ。絶体絶命のような状況の中で、彼女への情愛と献身を見せるのは山田涼介と宇崎竜童の2人。映画を見終えた私の素直な鑑賞です。また苛酷な少女期から裏社会への関わりなど、本編のヒロイン・ネリの境遇は、映画として見てリアリティを感じづらいものでした。

 

とはいえ現在の日本映画界で、この映画のヒロイン・ネリの役を爽快に演じられる女優がいるのか…。そういう意味では、主演の安藤サクラはベストの選択であったようにも思います。月曜の朝、彼女が大阪の街を疾走するラストシーンは印象的です。パー

 

(2023年、監督・脚本・プロデュース/原田眞人、原作/黒川博行、撮影/北信康、照明/柴田雄大、録音/鶴巻仁、編集/原田遊人、音楽/土屋玲子)

BAD LANDS バッド・ランズ

 


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