鑑賞の日にちも劇場も異なりますが、いずれも7月の終盤に見た日本映画の新作です。1本目の映画『658km、陽子の旅』は、『私の男』の熊切和嘉監督と『バベル』の菊地凛子が、2001年の『空の穴』以来22年ぶりにタッグを組んだ作品。東京から青森へ向かう「658km」のロードムービー。センチュリーシネマ(シニア会員1,100円)。

 

2本目の映画『PLASTIC』は、『大和(カリフォルニア)』『TOURISM』などで国内外から注目を集める宮崎大祐監督が、幻のアーティスト「エクスネ・ケディ」による1974年ライブ音源アルバム「StrollingPlanet’74」をモチーフに撮り上げた青春映画。名古屋の街々が背景に…。劇場は伏見ミリオン座(シニア会員1,100円)。グッド!
 

658km、陽子の旅

『658km、陽子の旅』公式サイト

 

以下は映画『658km、陽子の旅』公式サイトに記載の紹介ストーリー(一部)です。

 

42歳 独身 青森県弘前市出身。人生を諦めなんとなく過ごしてきた就職氷河期世代のフリーター陽子(菊地凛子)は、かつて夢への挑戦を反対され20年以上断絶していた父が突然亡くなった知らせを受ける。従兄の茂(竹原ピストル)とその家族に連れられ、渋々ながら車で弘前へ向かうが、途中のサービスエリアでトラブルを起こした子どもに気を取られた茂一家に置き去りにされてしまう。

 

陽子は弘前に向かうことを逡巡しながらも、所持金がない故にヒッチハイクをすることに。しかし、出棺は明日正午。北上する一夜の旅で出会う人々―毒舌のシングルマザー(黒沢あすか)、人懐こい女の子(見上愛)、怪しいライター(浜野謙太)、心暖かい夫婦(吉澤健、風吹ジュン)― あし

 

658km、陽子の旅


就職氷河期世代である42歳の独身女性・陽子は、人生を諦めてフリーターとしてなんとなく日々を過ごしてきた。そんなある日、かつて夢への挑戦を反対され20年以上疎遠になっていた父の訃報を受けた彼女は、東京から故郷の青森県弘前市まで車で向かうことに。しかし、途中のサービスエリアで従兄の家族とはぐれてしまう…。あせる

 

所持金もなくヒッチハイクで故郷を目指すことにした陽子の、まさに一昼夜の“旅”の物語です。翌日の正午が亡き父親の出棺ですから、それには間に合いたいと他者とのコミュニケーションが苦手の彼女も、懸命に行動を開始するのです。その出会う人たちが表面上やさしい素振りを見せはしますが、実のところ身勝手な人物が多い…。

 

映画が進むと、いきなり登場してきて無言の芝居を続けるオダギリジョーですが、すぐには彼が陽子の父親とはわかりませんでした。娘である陽子が42歳である今、彼もまた同年代のままの父親であるという不思議。20年以上会っていないことで、父親は40代の姿のままなのでしょう。あくまでも陽子の“想い”で綴られた作品です。パー

 

(2022年、監督/熊切和嘉、脚本/室井孝介、浪子想、撮影/小林拓、照明/赤塚洋介、録音/吉田憲義、美術/吉田憲義、音楽/ジム・オルーク)

658km、陽子の旅

 

 

 

                                  

 

PLASTIC

『PLASTIC』公式サイト

 

以下は映画『PLASTIC』公式サイトに記載の紹介ストーリー(一部)です。

 

2018年の夏の終わり。東京から名古屋に引っ越してきたジュンは、ミュージシャンになることを夢見ていた。ギターを抱えて街に飛び出したジュンは、憧れている幻のミュージシャン、エクスネ・ケディの曲を弾き始める。

 

ちょうどその頃、地元の高校生、イブキは大好きなエクスネ・ケディの曲をイヤフォンで聴きながら自転車をこいでいた。そこに聞こえてきた、もうひとつのエクスネ・ケディ。目の前にギターを弾いてシャウトするジュンがいた。―― 音譜

 

PLASTIC

 

運命的な出会いをした2人はエクスネ・ケディの話で意気投合。やがてイブキの高校に転校して来たジュンは、イブキが所属する天文部の部室に使われないアンプやスピーカーが放置してあることを発見。早速ギターを弾き始める。最初は迷惑がっていたイブキの友達も、初めてエクスネ・ケディのレコードを聴いて夢中になっていく。

 

それから1年。夢を追い続けるために高校を中退したジュンと、東京の大学に進学すること決めたイブキの間に距離が生じ始める。やがてコロナが社会を大きく変えていく中で、お互いの思いのすれ違いを埋められないままそれぞれの生活が過ぎていく…。

 

音楽を素材にした“ボーイ・ミーツ・ガール”の作品ですが、主人公の二人には次第に“距離感”が生じていくことになる。しかし、エクスネ・ケディの再結成ライブのコンサートはどちらも気になって仕方がない。奇跡的な再会を予見させるようなエンディングとなります。好きな人も好きな音楽が一緒というのは幸福なのかな…。パー

 

(2023年、監督・脚本/宮崎大祐、撮影/中島美緒、照明/加藤大輝、美術/林チナ、編集/平田竜馬、音楽/PLASTIC KEDY BAND)

PLASTIC

 


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