鑑賞日は異なりますが、いずれも伏見ミリオン座で見た新作映画です。1本目の映画『ザ・ホエール』は、『ブラック・スワン』のダーレン・アロノフスキー監督が、ブレンダン・フレイザーを主演に据えて撮り上げた人間ドラマ。舞台劇の原作をもとに、死期の迫った肥満症の男が娘との絆を取り戻そうとする“必死”な姿を描きます。
 

2本目の映画『エスター ファースト・キル』は、孤児院から養子として、ある一家に迎え入れられた少女エスターが巻き起こす恐怖を描いた『エスター』(2009年)のシリーズ第2弾。前作から14年を経て、本編ではエスターが孤児院に入る前の前日譚が「エピソード0」として描かれます。伏見ミリオン座(シニア会員1,100円×2)。グッド!
 

ザ・ホエール

『ザ・ホエール』公式サイト

 

以下は映画『ザ・ホエール公式サイトに記載の紹介ストーリーです。

 

恋人アランを亡くしたショックから、現実逃避するように過食を繰り返してきたチャーリー(ブレンダン・フレイザー)は、大学のオンライン講座で生計を立てている40代の教師。歩行器なしでは移動もままならないチャーリーは頑なに入院を拒み、アランの妹で唯一の親友でもある看護師リズ(ホン・チャウ)に頼っている。

 

そんなある日、病状の悪化で自らの余命が幾ばくもないことを悟ったチャーリーは、離婚して以来長らく音信不通だった17歳の娘エリー(セイディー・シンク)との関係を修復しようと決意する。ところが家にやってきたエリーは、学校生活と家庭で多くのトラブルを抱え、心が荒みきっていた……。パンチ!

 

ザ・ホエール

 

40代のチャーリーはボーイフレンドのアランを亡くして以来、過食と引きこもり生活を続けたせいで健康を損なってしまう。アランの妹で看護師のリズに助けてもらいながら、オンライン授業の講師として生計を立てているが、心不全の症状が悪化しても病院へ行くことを拒否し続ける。現在の体重272キロ、余命わずか…という状況。叫び

 

自身の死期が近いことを悟った彼は、8年前にアランと暮らすために家庭を捨ててから疎遠になっていた娘エリーとの関係修復をめざします。しかし、ようやく自宅にやって来た17歳の娘は、学校生活や家庭に多くの問題を抱え、荒んだ様子を見せます。当然のことながら、自分と母親を捨てたチャーリーを許す気持ちはありません。

娘の成長に付き合いながら共に暮らした経験のある父親ならば、9歳の頃までは自然となついてくれる感じが、高校に通う頃には“異物”と接触するような感覚を味わっているのではないかと思います(私見ですが…)。本編の主人公は自らの“愛”を貫き、ただいま驚異のデブですから、多感な娘から全否定されてもやむを得ないと思うのですが…。愛と傷心に生きた父親を認める娘の姿に、私はホロリとさせられました。パー

 

(2022年、監督・製作/ダーレン・アロノフスキー、原案・脚本/サミュエル・D・ハンター、撮影/マシュー・リバティーク、音楽/ロブ・シモンセン)

ザ・ホエール

 

 

 

                                  

 

エスター ファースト・キル

『エスター ファースト・キル』公式サイト

 

以下は映画『エスター ファースト・キル』公式サイトに記載の紹介ストーリーです。

 

2007年、アメリカで暮らすオルブライト家は、4年前に6歳で行方不明となった愛娘エスターの失踪事件に今なお心を痛めていた。そんなある日、エスターが保護されたという思いがけない知らせが夫妻のもとに届く。この奇跡のような出来事を手放しで喜ぶ一家。驚くほど成長したエスターは聡明で才能も豊か。画家の父親に昔以上にべったりだった。また、あの幸せな時が帰ってくるー。爆弾

 

エスター ファースト・キル

 

裕福な一家、オルブライト家の一人娘で6歳のエスターが行方不明になってから4年の月日が流れた。ある日、エスターが見つかったという朗報が警察から届けられる。父、母、兄は数年振りの再会という奇跡にこの上ない喜びを感じ、10歳に成長したエスターを迎え入れる。再び4人そろって幸せな生活を送ることになるはずが…。メラメラ

 

幼児期の4年間が空白になっただけに、エスターが思った以上に変貌していても、家族は違和感を持たないのか。そんなツッコミを入れたくなる作品ですが、それを見越したかのように母親が、そして兄がその本性を露わにし、ドラマは危険な領域で進みます。芸術家肌の暢気な父親だけが、最後までエスターを娘と信じています。

 

2009年公開の前作『エスター』を私は見ておりません。前作では当時12歳で同年代のエスターを演じたイザベル・ファーマンが、今回は25歳で少女エスター役を再び演じています。狡猾で凶悪なダークヒロインですが、映画の場面によっては“可愛い”と思える瞬間がある。そのミスマッチ感が、何より本編の魅力かもしれません。パー

 

(2021年、監督/ウィリアム・ブレント・ベル、脚本/デヴィッド・コッゲシャル、原案・製作総指揮/デヴィッド・レスリー・ジョンソン=マクゴールドリック)

エスター ファースト・キル

 


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