鑑賞日は異なりますが、いずれも名古屋の伏見ミリオン座で見た作品です。1本目の映画『トリとロキタ』は、ベルギーの名匠ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟が、アフリカからベルギーに流れ着いた偽りの姉弟の強い絆と過酷な現実を描いたヒューマンドラマ。ダルデンヌ兄弟の作品としては、意外にサスペンス風味です。


2本目の映画『幻滅』は、フランスの文豪オノレ・ド・バルザックの小説「幻滅 メディア戦記」を、『偉大なるマルグリット』のグザヴィエ・ジャノリ監督が映画化。『Summer of 85』のバンジャマン・ボワザンが主演を務め、2022年セザール賞で作品賞を含む7部門で受賞の作品。伏見ミリオン座(シニア会員1,100円×2)。グッド!

 

トリとロキタ

『トリとロキタ』公式サイト

 

以下は映画『トリとロキタ公式サイトに記載の紹介ストーリーです。

 

地中海を渡りヨーロッパへやってきた人々が大勢ベルギーに暮らしている。トリとロキタも同様にベルギーのリエージュへやってきた。トリはまだ子供だがしっかり者。十代後半のロキタは祖国にいる家族のため、ドラッグの運び屋をして金を稼いでいる。偽りの姉弟としてこの街で生きるふたりは、どんなときも一緒だ。あせる

 

年上のロキタは社会からトリを守り、トリはときに不安定になるロキタを支える。偽造ビザを手に入れ、正規の仕事に就くために、ロキタはさらに危険な闇組織の仕事を始める……。他に頼るもののないふたりの温かく強固な絆と、それを断ち切らんとする冷たい世界。彼らを追い詰めるのは麻薬や闇組織なのか、それとも……。

 

トリとロキタ

 

アフリカから地中海をわたってベルギーのリエージュにやって来た少年トリと少女ロキタ。偽りの姉弟として生きる2人はどんな時でも一緒で、年上のロキタは社会からトリを守り、しっかり者のトリは時々不安定になるロキタを支えている。グー

 

10代後半のロキタはビザがないため正規の職に就くことができず、ドラッグの運び屋をして金を稼ぐ。彼女は偽造ビザを手に入れるため、さらに危険な仕事を始めるのですが、その状況に不安を感じたトリは、こっそりとロキタの身を追います。

 

ダルデンヌ兄弟の監督作品は『少年と自転車』(2011年)以降の日本公開作は、ほぼ見ているのではないかと思います。ドキュメンタリー的な映像で構築された作品は、いずれも現代社会を丁寧に映し出す印象があります。本編は“姉弟”に迫る危険をサスペンスタッチで描くと共に、悲劇的な結末を描いていて少し驚きました。パー

 

(2022年、監督・脚本/ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ、撮影/ブノワ・デルボー、美術/イゴール・ガブリエル、編集/マリー=エレーヌ・ドゾ)

トリとロキタ

 

 

 

                                  

 

幻滅

『幻滅』公式サイト

 

以下は映画『幻滅公式サイトに記載の紹介ストーリーです。

 

舞台は19世紀前半。恐怖政治の時代が終わり、フランスは宮廷貴族が復活し、自由と享楽的な生活を謳歌していた。文学を愛し、詩人として成功を夢見る田舎の純朴な青年リュシアンは、憧れのパリに、彼を熱烈に愛する貴族の人妻、ルイーズと駆け落ち同然に上京する。だが、世間知らずで無作法な彼は、社交界で笑い者にされる。

 

生活のためになんとか手にした新聞記者の仕事において、恥も外聞もなく金のために魂を売る同僚たちに感化され、当初の目的を忘れ欲と虚飾と快楽にまみれた世界に身を投じていく。挙句の果ては、当時二分されていた王制派と自由派の対立に巻き込まれ、身を滅ぼすことになる。叫び

 

幻滅 幻滅

 

19世紀フランスの文壇を代表する文豪のひとり、オノレ・ド・バルザック。社会を俯瞰し、そのなかで翻弄されるさまざまな人間像を冷徹に描く彼が、44歳で書き上げた「人間喜劇」の一編を映画化した本編は、200年も前の物語とは思えないほど、現代と酷似したメディアの状況を鋭く捉えた“社会派”エンタメ作品に仕上がっています。

 

詩人としての成功を夢見る田舎町の純朴な青年リュシアンは、貴族の人妻ルイーズとパリへ駆け落ちするが、世間知らずで無作法な彼は社交界で笑いものにされてしまう。生活のため新聞記者の仕事に就いた彼は、金のために魂を売る同僚たちに影響され、当初の目的を忘れて虚飾と快楽にまみれた世界へと堕落していく…。

 

およそ200年前のフランスを舞台に、生き馬の目を抜くようなパリの都とマスメディアの世界を描いた作品。叶わぬ貴族の人妻への想いと情熱を振り切るように、虚飾と快楽にまみれた世界で一時の“栄華”を手にしたように見える主人公です。最後は“汚れちまった”悲しみをその全身で受け止めることになる苦いドラマです。パー

 

(2022年、監督・脚本/グザヴィエ・ジャノリ、原作/オノレ・ド・バルザック、撮影/クリストフ・ボーカルヌ、美術/リトン・デュピール=クレモン)

幻滅

 


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