3月に劇場鑑賞の新作映画2本です。1本目の映画『コンペティション』は、ペネロペ・クルスとアントニオ・バンデラスが母国スペインで共演し、華やかな映画業界の舞台裏で繰り広げられる監督と俳優2人の三つどもえの戦いを描いた作品。シニカルなユーモアで構築されたドラマです(伏見ミリオン座、シニア会員1,100円)。

2本目の映画『メグレと若い女の死』は、フランスの名匠パトリス・ルコントが8年ぶりに長編映画のメガホンを取り、代表作『仕立て屋の恋』の原作者ジョルジュ・シムノンのミステリー小説を映画化しています。メグレ警視を演じているのは名優ジェラール・ドパルデュー。劇場はセンチュリーシネマ(シニア会員1,100円)。グッド!

 

コンペティション

『コンペティション』公式サイト

 

以下は映画『コンペティション』公式サイトに記載の紹介ストーリーです。

 

大富豪の起業家は自身のイメージアップのため、一流の映画監督と俳優を起用した伝説に残る映画を作ろうと思い立つ。変わり者だがあらゆる映画賞を総ナメする天才女性監督のローラ(ペネロペ・クルス)、人気と実力を兼ね備えた世界的大スターのフェリックス(アントニオ・バンデラス)、そして老練な一流舞台俳優のイバン(オスカル・マルティネス)の3人が集結し、ベストセラー小説の映画化に挑む。

 

しかしエゴが強すぎる3人はまったく気が合わず、リハーサルは予想外の展開を迎えることに――。果たして映画祭のコンペティションを勝ち抜けるような傑作は完成するのか !?

 

コンペティション コンペティション

 

変わり者の天才監督ローラを演じるのはペネロペ・クルス。奇想天外な演出論を振りかざしながらリハーサルを取り仕切ります。一方、世界的スターのフェリックスと老練な舞台俳優イバンの2人もまた独自の演技法を貫こうとする。監督と俳優たちとの間で衝突があり、さらに俳優間でも激しい対立を生みながらリハーサルは進んでいく。

 

映画の大半は、エゴとプライドとワガママの塊のような3人が繰り広げるリハーサルの様子を綴っています。こんな状態で無事に撮影が進むのかと思っていると、案の定、撮影が中止になりかねない大きな事件が起きてしまうのですが…。

 

映画業界と映画人に対する強烈な風刺が効いた作品ですが、ドラマの“着地点”の予想がつかず、作品を見終えて“一本取られた”感じです。エキセントリックで非常識な言動を繰り返す映画監督役のペネロペ・クルスは、まさに“怪演”でした。パー
 

(2021年、監督・脚本/ガストン・ドゥプラット、マリアノ・コーン、脚本/アンドレス・ドゥプラット、撮影/アルナウ・バイス・コロメル、美術/アライン・バイネ)

コンペティション

 

 

 

                                  

 

メグレと若い女の死

『メグレと若い女の死』公式サイト

 

以下は映画『メグレと若い女の死』公式サイトに記載の紹介ストーリーです。

 

ある夜、シルクのドレスを着た若い女が死んだ。片足には靴がない。不釣り合いなほどの高級ドレス。5か所もの執拗な刺し傷……。この謎めいた事件を担当するのが警視庁犯罪捜査部のジュール・メグレ警視(ジェラール・ドパルデュー)。わずかな手掛かりをもとに、メグレは名前すらわからないこの若い女を殺した犯人を探すことになった―― サーチ

 

メグレと若い女の死 メグレと若い女の死

 

舞台は1953年のパリ。モンマルトルのバンティミーユ広場で、シルクのイブニングドレスを着た若い女性の遺体が発見される。真っ赤な血で染まったドレスには5カ所の刺し傷があった。遺体の周囲に被害者を特定できるものは何もなく、手がかりとなるのは若い女性には不釣り合いなほど高級なシルクのドレスだけだった…。あせる

 

難航が予測される捜査に乗り出したメグレ警視ですが、被害者の素性とその生涯を探るうちに、異常なほど事件にのめり込んでいきます。やがて被害女性の人生を明らかにし、殺人事件の犯人にもたどり着きます。原作の「メグレ警視」シリーズを読んでいませんから、ジェラール・ドパルデューが外見的にも“はまり役”という実感はありません。戦後のパリを背景にした、地味なミステリー映画に仕上がっています。パー

 

(2022年、監督・脚本/パトリス・ルコント、脚本/ジェローム・トネール、原作/ジョルジュ・シムノン、撮影/イブ・アンジェロ、音楽/ブリュノ・クーレ)

メグレと若い女の死

 


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