アフリカの光

 

岐阜・柳ケ瀬の“昭和の映画館”ロイヤル劇場へ出かけるのは、少しばかり“お久しぶり”の状態でした。3月から4月にかけての上映プログラムは、スクリーン鑑賞したい作品が続いており、4月も岐阜まで“プチ遠征”してロイヤル劇場で鑑賞の予定です。グラサン

 

今回「稀代の名優  田中邦衛特集」のタイトルで企画された上映作品『アフリカの光』は、実は1975年の公開時に見ています。その当時、私は17歳になったばかりの高校2年。日本映画の新作も見るようになっていましたが、もう間もなく半世紀が経つのですから驚きです。この頃、どんな映画を見ていたか、以下のリブログをご参考に…。

 

 

映画『アフリカの光』は、萩原健一が『青春の蹉跌』(1974年)に続いて神代辰巳監督とコンビを組んだ青春期の彷徨のドラマ。芥川賞作家・丸山健二の原作をもとに、北国の漁港で“アフリカの光”を求めて暮らす男二人の友情(?)と別れが綴られます。脚本・中島丈博、撮影・姫田真佐久、音楽・井上堯之、そして助監督・長谷川和彦とスタッフも豪華な顔ぶれです。ロイヤル劇場(料金は一律600円)。

 

アフリカの光

 

映画は、流れ者の若者二人・順(萩原健一)と勝弘(田中邦衛)が飲み屋で、地元の船乗りらしき男たちに絡まれ、喧嘩となり警察に留置されるシーンから始まる。二人が行きたいのはアフリカの海で、春になればマグロ漁船が帰って来るこの港町で暮らすことに。しかし、寒々とした北国の港町は、彼らをやさしく受け入れはしない。パンチ!

生活費を稼ぐために何とか乗れたのがイカ釣りの小舟。二人を雇ったイカ釣りの老漁師(吉田義夫)の孫娘・サヨ子(高橋洋子)は、この港町を出て順と一緒にどこかへ行きたいと思うようになる。しかし、勝弘と一緒にアフリカの海に向かう計画に夢中な順は、サヨ子の思いにまともに応えようとはしない。

 

一方、船員相手のバーのホステス・ふじ子(桃井かおり)は、順と勝弘に自らの肉体を与え、彼女のヒモの穴吹(藤竜也)が開く賭場の見張り役を頼んでくる。順は過酷なイカ釣りを嫌い、勝弘の反対を押し切って一人で引き受ける。DASH!
 

アフリカの光

 

二人の間には溝ができたが、春になれば一緒に同じ船に乗ってアフリカの海へ出かける夢は持ち続けていた。しかし、北国の寒さと過酷なイカ釣り漁のせいで、勝弘の体調が急速に悪くなっていく。懸命に看病をする順の姿を見ていると、女性との煩わしい付き合いよりも男同士の友情や戯れの方が好きなのだと思えます。

 

“カッコよくない”ことをカッコよく見せるようなショーケンという特異な役者。テレビドラマ『傷だらけの天使』にも通じるドラマ性と演技ですが、この映画を見た高校時代、かなり戸惑った記憶があります。今回40数年ぶりにスクリーンで再見したわけですが、戸惑いは少なくなったものの本編にさほど“面白さ”を感じませんでした。パー

 

『アフリカの光』(1975年、監督/神代辰巳、脚本/中島丈博、原作/丸山健二、撮影姫田真佐久、音楽/井上尭之、助監督/長谷川和彦

アフリカの光

 


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