3月も前半を終えましたので、いつも通り当月前半の映画鑑賞のまとめです。3月前半の劇場鑑賞の映画は以下の8本です。母親の一周忌など週末にイベントごとがあり、映画館に出向いて新作映画を見る余裕はほとんどなかった時期といえます。本日のブログ記事は、「大映4K映画祭」で鑑賞の4本目の作品、女優の田中絹代が監督を務めた映画『流転の王妃』劇場は名演小劇場(10ポイント獲得の無料鑑賞)。グッド!

 

 @センチュリーシネマ

『銀平町シネマブルース』(2023年、監督/城定秀夫)

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(2022年、監督/ダニエルズ)

 @名古屋シネマテーク

『岡本太郎の沖縄』(2022年、監督/葛山喜久)

 @ロイヤル劇場  <岐阜>

『アフリカの光』(1975年、監督/神代辰巳)

 @109シネマズ名古屋

『フェイブルマンズ』(2022年、監督/スティーヴン・スピルバーグ)

 @伏見ミリオン座

『いつかの君にもわかること』(2020年、監督/ウベルト・パゾリーニ)

『Winny』(2023年、監督/松本優作)

『逆転のトライアングル』(2022年、監督/リューベン・オストルンド)

 

大映4K映画祭

「大映4K映画祭」公式サイト

 

大映創立80周年記念企画「大映4K映画祭」の名古屋での上映館は、来週3月23日が最終営業となる名演小劇場。上映作品16本のうちスクリーン未見の映画は4本ありましたが、スケジュールがうまい具合に合い、4作品すべて鑑賞することができました。

 

ブログに記事にする最後の作品は、女優の田中絹代が監督した映画『流転の王妃』。正直いえば、未見4作品のうち“見たい度”はもっとも低かった映画です。田中絹代は監督作品を6本残していますが、あまり良い“伝聞”を目にしていないものですから…。あせる

 

『流転の王妃』(1960年、監督/田中絹代、脚本/和田夏十、原作/愛親覚羅浩、撮影/渡辺公夫、美術/間野重雄、音楽/木下忠司)

 

映画の原作は満州国皇帝・溥儀の弟の妻、愛親覚羅浩(嵯峨浩)の自叙伝。嵯峨浩は日本の侯爵家の出身であり、国策により満州国皇帝・溥儀の実弟・溥傑と政略結婚をさせられた女性。彼女は1957年冬に愛娘を天城山心中事件で失い、その悲しみを込めて自らの数奇な半生を綴る。その自伝本がベストセラーとなり映画化となったわけ。

 

本編の主人公の嵯峨浩を演じているのが京マチ子。結婚相手の“ラストエンペラー”の実弟・溥傑に扮しているのが船越英二ですが、2人の出演映画をそれなりに見ていれば、この映画のキャスティングに少々無理があるように思えるのです…。

 

原作者も監督も女性で、脚本を書いたのも市川崑監督の夫人である和田夏十。市川崑の作品外ではあまり脚本を書くことがない和田夏十ですが、田中絹代の粘り強い説得により本編に関わったといわれています。そういう意味では、往年の日本映画界では珍しい“女性映画”ともいえます。そこにフォーカスして見る価値はあります。パー

 

 


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