9月に鑑賞の新作映画ですが、鑑賞の劇場は異なります。1本目の映画『百花』は、菅田将暉と原田美枝子が親子役で主演を務めたヒューマンドラマ。プロデューサー、脚本家、小説家として数々の作品を手掛けてきた川村元気が自作(同名小説)を、自ら初監督しています(ミッドランドスクエアシネマ2、シニア当日1,200円)。

 

2本目の映画『よだかの片想い』は、直木賞作家・島本理生の恋愛小説を、SKE48の出身で『幕が下りたら会いましょう』など映画の世界でも活躍する松井玲奈を主演に据えた作品。監督は『Dressing UP』で注目を集めた安川有果監督、『性の劇薬』の城定秀夫が脚本を手掛けています(伏見ミリオン座、シニア会員1,100円)。グッド!

 

百花

『百花』公式サイト

 

以下は映画『百花』公式サイトに記載の紹介ストーリー(一部)です。

 

レコード会社に勤務する葛西泉(菅田将暉)と、ピアノ教室を営む母・百合子(原田美枝子)。ふたりは、過去のある「事件」をきっかけに、互いの心の溝を埋められないまま過ごしてきた。そんな中、突然、百合子が不可解な言葉を発するようになる。「半分の花火が見たい…」それは、母が息子を忘れていく日々の始まりだった。

 

認知症と診断され、次第にピアノも弾けなくなっていく百合子。やがて、泉の妻・香織(長澤まさみ)の名前さえ分からなくなってしまう。皮肉なことに、百合子が記憶を失うたびに、泉は母との思い出を蘇らせていく。そして、母子としての時間を取り戻すかのように、泉は母を支えていこうとする。―― あせる

 

百花 百花

 

やがて泉は百合子の部屋で一冊の日記を見つけます。そこに綴られていたのは、彼が知らなかった母の秘密。彼が自身の記憶の中に封印したかった、母が“不在”となる出来事の真相が明らかになります…。忘れたかった過去の記憶に向き合うことのなかった泉に対し、認知の進む百合子は自身の想いが発揮された時期に舞い戻ります。

 

認知症の進む母親と同居して暮らしていましたから、菅田将暉の演じる主人公の苦労もよくわかります。もっと早くに施設に預けることを考えればいいのにと思いもしました。そんな私が作品の中で“ドキッ”としたのは、自分の息子をかつての“恋人”と勘違いするシチュエーション。老いの様相を敢然と見せる一方で、40代の女盛り(?)の頃もメイクと演技で見せる同世代の女優・原田美枝子、大いに感心しました。パー

 

(2022年、監督・脚本・原作/川村元気、脚本/平瀬謙太朗、撮影/今村圭佑、照明/平山達弥、録音/矢野正人、美術/杉本亮、音楽/綱守将平)

百花

 

 

 

                                  

 

よだかの片想い

『よだかの片想い』公式サイト

 

以下は映画『よだかの片想い』公式サイトに記載の紹介ストーリー(一部)です。

 

理系大学院生・前田アイコ(松井玲奈)の顔の左側にはアザがある。幼い頃、そのアザをからかわれたことで恋や遊びには消極的になっていた。しかし、「顔にアザや怪我を負った人」をテーマにしたルポ本の取材を受けてから状況は一変。

 

本の映画化の話が進み、監督の飛坂逢太(中島歩)と出会う。初めは映画化を断っていたアイコだったが、次第に彼の人柄に惹かれ、不器用に距離を縮めていく。しかし、飛坂の元恋人の存在、そして飛坂は映画化の実現のために自分に近づいたという懐疑心が、アイコの「恋」と「人生」を大きく変えていくことになる…。ハートブレイク

 

よだかの片想い よだかの片想い

 

「顔にアザや怪我を負った人」のルポタージュ本の取材を受けて話題となったアイコ。彼女を取り巻く状況は一変し、本は映画化される方向で進みます。監督の飛坂逢太と話をするうちに彼に惹かれていく。飛坂への“片想い”を自覚したアイコは不器用に距離を縮めていく一方で、自身のコンプレックスとも正面から向き合うことに…。

 

松井ナニガシという“全国区”の人気タレントがいたことは記憶にありますが、名古屋を中心にしたアイドルグループ“SKE48”のことは、ほとんど何も知りません…。顔にアザのある女性が自身の弱さと向き合うドラマを演じた松井玲奈。アイドル的な佇まいの作品とは大きく異なる映画に挑んでいます。女優としては“これから”です。パー

 

(2021年、監督/安川有果、脚本/城定秀夫、原作/島本理生、撮影/趙聖來、照明/森紀博、録音/鈴木健太郎、美術/松本良二、音楽/AMIKO)

よだかの片想い

 


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