すでに9月に突入しております。いつも通りに前月1ヵ月の劇場鑑賞のまとめですが、8月の後半に私が見た映画は以下の11本。8月はトータルで22本のスクリーン鑑賞でした。遅れがちになっているブログの更新ですが、本日のブログ記事は、いずれも1970年代製作の映画『WANDA ワンダ』『マッドボンバー』です。劇場は名古屋シネマテーク(シニア会員1,000円と、10ポイント獲得の無料鑑賞)。グッド!

 

 @伏見ミリオン座

『キングメーカー 大統領を作った男』(2021年、監督/ビョン・ソンヒョン)

『あなたと過ごした日に(2020年、監督/フェルナンド・トルエバ)

ロッキーVSドラゴ ROCKY IV(2021年、監督/シルベスター・スタローン)

『スワンソング』(2021年、監督/トッド・スティーブンス)

 @名古屋シネマテーク

『あいたくて あいたくて あいたくて』(2022年、監督/いまおかしんじ)

『マッドボンバー』(1972年、監督/バート・I・ゴードン)

『遠くへ,もっと遠くへ』(2022年、監督/いまおかしんじ)

『夕なぎ』(1972年、監督/クロード・ソーテ)

『離愁』(1973年、監督/ピエール・グラニエ=ドフュール)

 @ミッドランドスクエアシネマ

『ドライビングMissデイジー』(1989年、監督/ブルース・ベレスフォード)

『サバカン SABAKAN(2022年、監督/金沢知樹)

 

WANDA ワンダ

『WANDA ワンダ』公式サイト

 

アメリカの底辺社会の片隅に取り残された女性の姿を描き、1970年ベネチア国際映画祭最優秀外国映画賞を受賞した、バーバラ・ローデン監督・脚本・主演のロードムービー。バーバラ・ローデンのことをまったく知らなかったのですが、映画監督エリア・カザンの奥方であった女優。長編作品としては本編が唯一の監督作なんですね。

 

公開以降、アメリカではほぼ“黙殺”された作品だったとか。2003年にイザベル・ユペールが本作の配給権を買い取りフランスで上映。2007年にオリジナルのネガフィルムが発見され、マーティン・スコセッシ監督が設立した映画保存運営組織の支援により、そのプリントが修復されます。日本では今回が初の劇場公開のようです。DASH!

 

WANDA ワンダ

 

ペンシルベニア州のある炭鉱で、夫に離別されたワンダ(バーバラ・ローデン)は、子供も職も失い、有り金もすられてしまう。わずかなチャンスをすべて使い果たしてしまったワンダは、薄暗いバーである男と知り合う。ワンダはその傲慢な男と行動をともにし、いつの間にか犯罪の共犯者として逃避行を続けることになる…。

 

それなりの美人に思えるワンダですが、内面的には何かが破綻しており、その場しのぎの行動を続けているように見えます。傲慢な犯罪者の男と行動を共にしていくのですが、それなりの交流がありますから、最後は“諸共に”ラストを迎えるのかとも予測していましたが…。そういう意味では、本編の終盤は予測の出来ない展開で見ごたえがあります。1970年代の映画でありながら、終盤の描写は“現代的”な印象です。パー

 

(1970年、監督・脚本/バーバラ・ローデン、撮影・編集/ニコラス・T・プロフェレス、照明・音響/ラース・ヘドマン、制作協力/エリア・カザン)

WANDA ワンダ

 

                                  

 

マッドボンバー 

 

東京のシネマート新宿で5月からスタートした企画大暴走・野蛮地獄」。名古屋シネマテークでも2週間限定で11本の作品が8月に上映されました。日本初上陸や日本初上映も含む、滅多にスクリーンで観ることのできない、世の中から見向きもされない常軌を逸した野蛮極まりない映画群との触れ込みでしたが、私が見たのは上映作の目玉ともいうべき『マッドボンバー』1本のみ。映画ファンを自認しておりますが…。あせる

 

マッドボンバー

 

ロサンゼルスの通りに面した女学校がダイナマイトで吹き飛ばされ、女子学生数人がその犠牲になった。これがロスの街を恐怖に陥れた連続爆破事件の幕開けで、犯人はウィリアム・ドーン(チャック・コナーズ)。一人娘が麻薬のトリコになって亡くなったことから、その復讐に固執し、娘が関わった施設を次々に爆破していく。爆弾

 

そして、もう一人の犯罪者としてレイプ犯のジョージ・フロマリイ(ネヴィル・ブランド)が登場する。爆破事件と強姦事件が併発して続くロス警察。その署内で敏腕刑事といわれるジェロニモ(ヴィンセント・エドワーズ)は、二人の犯罪者が同じ病院で相手を目撃した可能性を察知し、まずは捕らえやすいレイプ犯に狙いを定めます。

 

ジェロニモは容易にレイプ犯にたどり着き、彼の犯罪を見逃すことで爆破事件の犯人の情報を得ます。実に強引な手法で取引する刑事の姿は、いかにもこの時代の“ロス的”ともいえます。鑑賞の2作品はいずれも犯罪に関わる映画、ともに稚拙な内面を抱えながら“自滅”していく人物を描いて、1970年代の映画らしいと思いました。パー

 

(1972年、監督・製作・脚本・撮影/バート・I・ゴードン、原作/マルク・ベーム、編集/ジーン・ラギエロ、音楽/ミシェル・メンション)

マッドボンバー

 


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