ここ2年に及ぶ新型ウィルスのコロナ禍の中、ミニシアターを含めた映画館も苦難の時期が続いているように見受けます。名古屋・栄(東新町)の名演小劇場は昨年度から会員制のサービスを中止し、今年度もそのサービスの復活はなりませんでした。DASH!

 

その代替えとしてスタートしたのが、名古屋の喫茶店でお馴染みの“回数券”スタイルのサービスです。早速に私が利用したのは、1,200円の鑑賞券5枚綴り(6,000円)の購入。サービスとして1枚の無料鑑賞券が付きますから、実質は6本の映画を1本あたり1,000円で鑑賞できるわけです。そして出かけたのが「boidsound映画祭」

 

上映の際のサウンドにこだわった“爆音”上映という企画の映画祭ですが、上映作品自体は公開時に私はほとんど見ていました…。私が出かけたのは唯一見ていなかったアニメ『パプリカ』と、今回の“映画祭”で再見したかった『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。劇場は名演小劇場(回数券①と、無料鑑賞券を利用しました)。グッド!

 

 

筒井康隆による同名SF小説を『千年女優』『東京ゴッドファーザーズ』のアニメーション監督・今敏が2006年に映画化した作品『パプリカ』。精神医療総合研究所の天才科学者が発明した他人の夢を共有できる画期的テクノロジー「DCミニ」が盗まれる。それを機に研究員たちは次々に奇怪な夢を見るようになり、精神を冒されていく…。

 

表の顔は精神医療総合研究所に勤めるセラピー機器の研究者、裏の顔は“パプリカ”というコードネームを持つセラピスト・千葉敦子。彼女は他人の夢をスキャンすることが出来るという「DCミニ」を使い、日々患者の迷える心をケアしていますが、「DCミニ」の盗難後は、その犯人探しのために“パプリカ”として積極的に行動します。あせる

 

 

常に冷静沈着で理知的なクールビューティーというキャラクターの千葉敦子。一方、彼女の別人格である“パプリカ”は天真爛漫で無邪気な少女のような姿をしている。とはいえ、心を病んでいる患者に対しては、いずれも誠心誠意に接します。強面の刑事・粉川は自らが癒されることで、直感的に“パプリカ”の実体に気づきます。

 

アニメ作品としては、主人公の“パプリカ”が危機に陥るサスペンスだったり、少しエロチックなシーンが見どころに思えます。さらに東京の街を破壊して突き進む“夢の暴走”シーンは、滑稽でありながらどこか不気味な印象。ここも見どころですね。パー

 

(2006年、監督・脚本/今敏、脚本/水上清資、原作/筒井康隆、キャラクターデザイン・作画監督/安藤雅司、音楽/平沢進)

 

                                  

 

マッドマックス怒りのデスロード

 

荒廃した近未来を舞台に妻子を殺された男マックスの復讐劇を描いた『マッドマックス』シリーズの第4作。30年ぶりの新作ですが、監督・脚本は過去3作同様にジョージ・ミラーが担当。過去3作でメル・ギブソンが扮した主人公マックスをトム・ハーディが演じ、共に闘う女戦士フュリオサ役をシャーリーズ・セロンが演じています。パンチ!

 

2015年の第88回アカデミー賞では作品賞、監督賞ほか10部門でノミネートを受け、編集、美術、衣装デザイン、音響編集、録音、メイクアップ&ヘアスタイリングの合計6部門で受賞を果たしています。その年にスクリーン鑑賞し、当然のことながらブログに記事も書いています。以下の文章はその際のものですが、抜粋して紹介します。


「それにしても“物語”を本当に語らない作品で、追う者と追われる者の砂漠内のカーチェイスとアクションが迫力満点に続くのみ。終盤、求めるべき自由の土地を断念して、マックスの決断で“反転”して攻勢をかけるフュリオサたち。私はこの映画を2度見するほどの熱心さはありませんが、もしも2度目を見るなら字幕不要で、まったく問題ない気がします。」

 

結局、今回「2度見」することになったわけですが、たしかに字幕は不要に近い状態。しかも場面によっては場内の空気が震えるようなサウンドを堪能できました。パー

 

 

(2015年、監督・脚本/ジョージ・ミラー、撮影/ジョン・シール、美術/コリン・ギブソン、編集/マーガレット・シクセル、音楽/ジャンキー・XL)

マッドマックス怒りのデスロード

 


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