白い牛のバラッド

『白い牛のバラッド』公式サイト

 

冤罪による死刑で夫を失ったシングルマザーの姿を通して、社会の不条理と人間の闇をあぶり出していく映画『白い牛のバラッド』。イランの厳罰的な法制度を背景にしたドラマは、男女のメロドラマ的な要素も盛り込みながら、こちらが予測していた以上のサスペンスフルな展開で進みます。共同で監督・脚本を手掛けたのはマリヤム・モガッダムとベタシュ・サナイハ、モガッダムは主演の女優でもあります。劇場は伏見ミリオン座(シニア会員1,100円)。グッド!

 

白い牛のバラッド 白い牛のバラッド

 

以下は映画『白い牛のバラッド』公式サイトに記載の紹介ストーリーです。

 

テヘランの牛乳工場で働きながら耳の聞こえない幼い娘ビタを育てるミナ(マリヤム・モガッダム)は、1年前に夫のババクを殺人罪で死刑に処せられたシングルマザー。今なお喪失感に囚われている彼女は、裁判所から信じがたい事実を告げられる。ババクが告訴された殺人事件を再精査した結果、別の人物が真犯人だったというのだ。パンチ!

 

賠償金が支払われると聞いても納得できないミナは、担当判事アミニへの謝罪を求めるが門前払いされてしまう。理不尽な現実にあえぐミナに救いの手を差し伸べたのは、夫の旧友と称する中年男性レザ(アリレザ・サニ・ファル)だった。やがてミナとビタ、レザの3人は家族のように親密な関係を育んでいくが、レザはある重大な秘密を抱えていた。やがてその罪深き真実を知ったとき、ミナが最後に下した決断とは……。

 

白い牛のバラッド

 

テヘランの牛乳工場に勤めるシングルマザーのミナ。夫は殺人罪で逮捕され、1年ほど前に死刑に処されており、聴覚障害で口のきけない愛娘を支えに働きますが、経済的には厳しい状態です。夫の家族から援助めいた話もありますが、それは孫娘を手もとに置きたいという気持ちからであり、その前提としては亡き夫の弟との再婚が条件のようになっています。あせる

 

義弟との再婚を受け入れられないミナは、冤罪の賠償金の受け取りにもこだわる様子はなく、ただただ死刑宣告を下した判事の謝罪の言葉を求めます。しかし、裁判所に出かけても門前払いの状態で、彼女と娘の生活は次第にきびしいものになります。そんな折、訪ねてきた夫に世話になったという中年男性レザですが、ミナ母娘を様々な場面でサポートします。

 

娘のビタとの関係もよく、その優しい振る舞いからミナも次第にレザに心を許すようになるのですが…。何というか、“あしながおじさん”を演じるには“あしながおじさん”を演じる理由があるわけで、そのあたりは完全にネタバレの領域となりますから、これ以上は触れません。レザの厚意の理由がわかった後の終盤は、サスペンス感が高まった印象があります。パー

 

(2020年、監督・脚本/ベタシュ・サナイハ、監督・脚本・主演/マリヤム・モガッダム、撮影/アミン・ジャファリ)

白い牛のバラッド

 


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