8月の最初の週末に伏見ミリオン座で連続鑑賞した2本の映画です。1本目の映画『83歳のやさしいスパイ』は、老人ホームの内偵のため入居者として潜入した83歳の男性セルヒオの調査活動を描いたドキュメンタリー。舞台となった老人ホームの許可を得て、スパイとは明かさずに撮影されています。第93回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞ノミネート作です。

 

2本目の映画『アウシュヴィッツ・レポート』は、アウシュビッツ強制収容所を脱走した2人の若いスロバキア系ユダヤ人のレポートによって、12万人のユダヤ人の命が救われた実話を映画化した人間ドラマ。第93回アカデミー国際長編映画賞のノミネート作品選考に際し、スロバキアの代表作品として選出されています。伏見ミリオン座(シニア会員1,100円×2)。グッド!

 

83歳のやさしいスパイ

『83歳のやさしいスパイ』公式サイト

 

以下は映画『83歳のやさしいスパイ』公式サイトに記載の紹介ストーリー(一部)です。

 

映画の歴史でスパイを題材にした名作は数あれど、それらとはまったく違う、アクションとは無縁の、世界でいちばん“やさしい”スパイ映画が誕生した。本作で驚くべき活躍を見せる主人公は、83歳のごく普通の男性セルヒオ。とある老人ホームの入居者が虐待されているのではないかという疑惑があり、そのターゲットの様子を密かに克明に報告する、というのが彼に与えられたミッションだ。目

 

携帯電話の扱いひとつ不慣れなセルヒオが、眼鏡型の隠しカメラを駆使し、暗号を使って老人ホームでの潜入捜査を繰り広げる様子に観客はハラハラしっぱなし。妻を亡くした悲しみの中にある彼は、傷ついている人を放っておけない心優しい性格で、調査を行うかたわら、いつしか悩み多き入居者たちの良き相談相手となってしまう…。

 

83歳のやさしいスパイ 83歳のやさしいスパイ

 

妻を亡くして新たな生きがいを探していた83歳の男性セルヒオは、80~90歳の男性が条件という探偵事務所の求人に応募する。その業務内容はある老人ホームの内定調査で、依頼人はホームに入居している母が虐待されているのではないかという疑念を抱いていた。セルヒオはスパイとして老人ホームに入居し、ホームでの生活の様子を毎日報告することに。

 

そもそもこの老人ホームの男女の構成は、女性の数十名に対して男性は数名に過ぎないというような説明がありました。実際にはボケの症状もなく、他人に対して十分な気配りができるセルヒオは、いつしか悩み多き入居者たちの良き相談相手となっていきます。思い込みの強い女性入居者からは、再婚の相手(?)として積極的なアプローチを受けたりもします。あせる

 

この作品を最初に知った時はドキュメンタリー映画とは信じられませんでしたが、映画を見ればやはりドキュメンタリー。ホームに入所させた後、家族がほとんど訪問に来ない状況など、個人的には胸にグサリと来るものがありました。それにしても本編に登場しているホーム入所者の家族(関係者)からは、このような映画作品の許諾はすべて受けているのかな。パー

 

(2020年、監督・脚本/マイテ・アルベルディ、撮影/パブロ・バルデス、編集/キャロライナ・シラキアン、音楽/ビンセント・ファン・バーメルダム)

83歳のやさしいスパイ

 

                                                 

 

アウシュヴィッツ・レポート

『アウシュヴィッツ・レポート』公式サイト

 

以下は映画『アウシュヴィッツ・レポート』公式サイトに記載の紹介ストーリー(一部)です。

 

1942年にアウシュヴィッツに強制収容された二人の若いスロバキア系ユダヤ人は、1944年4月10日に実際に収容所を脱走し、アウシュヴィッツの内情を描いた32ページにも渡るレポートを完成させた。

 

収容所のレイアウトやガス室の詳細などが書かれたレポートは、非常に説得力のある内容で、このレポートは「ヴルバ=ヴェツラー・レポート(通称アウシュヴィッツ・レポート)」として連合軍に報告され、12万人以上のハンガリー系ユダヤ人がアウシュヴィッツに強制移送されるのを免れた。あせる

 

アウシュヴィッツ・レポート アウシュヴィッツ・レポート

 

第二次世界大戦中の1944年、ユダヤ人が収監されたアウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所で、過酷な労働を強いられて殺害される人々の遺体記録係をしているスロバキア人のアルフレートとヴァルター。2人はナチスドイツによるその残虐な行為の証拠を持ち出し、有力者に届けるために脱走を企てます。映画はその果敢な試みの苦しみの日々を綴ります。

 

協力した収容所の仲間たちには執拗な拷問が待ちうけていて、“行くも地獄・残るも地獄”というような感じです。それでも国境を越えることができ、奇跡的に救出された2人は赤十字職員にアウシュビッツの実態を告白するのですが、その内容をすぐには信じてもらえません。

 

やがて2人がレポートという形で文章表現することにより、その実態は多くの人々の知ることになり、救われた命もあると映画は伝えています。とはいえ鑑賞中は、死の恐怖に纏われながらの脱出劇の暗い映像に、エンディングを迎えてもなお高揚感は得られませんでした。パー

 

(2020年、監督・脚本/ペテル・べブヤク、脚本/トマーシュ・ボムビク、撮影/マルティン・ジアラン、美術/ペテル・シュネク、編集/マレク・クラーリョブスキー)

アウシュヴィッツ・レポート

 


にほんブログ村