海辺の彼女たち

『海辺の彼女たち』公式サイト

 

いつものことながら鑑賞作品について予備知識をあまり持たずに劇場に出向いていますから、この映画『海辺の彼女たち』はドキュメンタリー作品だと思い込んでいました。外国人技能実習生として来日した若いベトナム女性たちの置かれた現実が描かれた作品だと…。

 

しかし見終えてみれば、これはドキュメンタリー作品とは違うな…という気分になり、リモート舞台挨拶で藤元明緒監督の長編第2作の演出映画と知りました。主要な登場人物である3名の女性たちも現地で行ったオーディションで選ばれているとのこと。集客の良い映画のようで、補助イスの最後尾での鑑賞でした。名古屋シネマテーク(シニア会員1,000円)。グッド!

 

海辺の彼女たち 海辺の彼女たち

 

以下は映画『海辺の彼女たち』公式サイトに記載の紹介ストーリーです。

 

技能実習生として来日した若きベトナム人女性のアン(フィン・トゥエ・アン)とニュー(クィン・ニュー)とフォン(ホアン・フォン)はある夜、搾取されていた職場から力を合わして脱走を図る。新たな職を斡旋するブローカーを頼りに、辿り着いた場所は雪深い港町。やがては不法滞在となる身に不安が募るも、故郷にいる家族のためにも懸命に働き始める。あせる

 

しかし、安定した稼ぎ口を手に入れた矢先にフォンが体調を壊し倒れてしまう。アンとニューは満足に仕事ができないフォンを心配して、身分証が無いままに病院に連れて行くが——。

 

海辺の彼女たち

 

特に説明的な描写もなく、日本のある場所からある場所へ逃げるようにして移動する異国の女性3人。もちろん彼女たちの間で交わされる会話は日本語ではありません。作品の映像には、英語と日本語の字幕が出ていたような気がします。それが、日本人ブローカーなどが登場すると、英語だけの字幕になりますが、すべてが理解できますから不思議な感じでした。

 

彼女たちは技能実習生として来日したものの、不当な扱いを受けて職場を逃げ出したベトナム人女性。違法な存在となった彼女たちはブローカーを頼りに新たな職を求め、雪の降る北の港町にたどり着きます。この雪降る暗い港町の風景は、外国人労働者を受け入れる活気のある町という感じではありません。暗く寒い土地で、過酷な労働が毎日続いていく…。

 

3人の女性は力を合わせて生活しますが、そのうちの1人フォンが体調を悪くしてしまう。その不調の理由を本人は何となく理解しています。しかし、病院に身を預けれるような状況ではない…。過酷な環境の中、生きる女性を描いていますが、“救い”らしきものが見えづらいです。異国からやって来た人々に対して、優しくないのは日本人なのか日本国なのか? パー

 

(2020年、監督・脚本・編集/藤元明緒、プロデューサー/渡邉一孝、ジョシュ・レヴィ、撮影/岸建太朗、音響/弥栄裕樹、録音/Keefar)

海辺の彼女たち

 


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