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岐阜・柳ケ瀬の“昭和の映画館”ロイヤル劇場へのプチ遠征での作品鑑賞です。「ノンストップ!深作欣二監督アクション映画特集」のタイトルで2本の作品の連続上映でしたが、いずれの作品も見る気満々でおりました。1本目の『資金源強奪』は予定通りの鑑賞でしたが、翌週の『暴走パニック大激突』は作品のフィルム状態が悪いということで、急遽上映作が『柳生一族の陰謀』に変更になってしまいました。ロイヤル劇場(料金は一律600円)。

 

資金源強奪

 

主人公は、敵対する暴力団の組長を射殺し、8年間の刑務所生活を送ったやくざ・清元武司(北大路欣也)。 獄中でひそかに、自らの属する羽田組から大金を強奪する計画を練っていた清元は出所後、刑務所仲間の別所鉄也(川谷拓三)と小出熊吉(室田日出男)に声をかけ、用意周到に組が開いていた賭場を襲撃し、3億5千万円の大金の奪取に成功します。

 

自分の属する組の賭場を襲撃して、大金を強奪しようとするのはまさに“仁義なき”世界といえます。大金を手に入れた武司は大事を取って3年間は金に手を出さず辛抱しようと仲間に提案、鉄也と熊吉は渋々承知します。一方、羽田組では親分衆の損害総額が5億円以上と詰め寄られますが、警察に届けを出す訳にはいかず、結局、やくざとの癒着が元で停職中の刑事、能代文明(梅宮辰夫)に実行犯の捜査を依頼する。彼が三人組に詰め寄ります…。

 

資金源強奪

 

『仁義なき戦い』のヒットシリーズに引き続き『新仁義なき戦い』のシリーズなども撮っている、この時期の深作欣二。本編の公開された1975年には、他に『仁義の墓場』『県警対組織暴力』があり、翌76年には『暴走パニック大激突』『やくざの墓場 くちなしの花』も製作・公開されているわけで、東映の社内において充実した作品づくりをしている印象です。グー

 

この『資金源強奪』は北大路欣也の10年ぶりの主演作品であり、彼の情婦を演じる太地喜和子にとっても久しぶりの東映作品への出演だったという。文学座の代表女優として活躍したイメージの太地喜和子ですが、芸能界へのスタートは東映のニューフェイスなんですね。本編の北大路欣也との絡みシーンなどに見せる色香(?)はさすがだなと思いました(汗)

 

そして、この主演の男女優のお二人以上にこの映画で目立っていたのが、襲撃犯の仲間である川谷拓三と室田日出男。この時期、東映の大部屋俳優により結成された“ピラニア軍団”の中心人物だったわけですが、ことに本編での川谷拓三のキャラは際立っていました。ドラマ「前略おふくろ様」にも出演し、役者としての知名度を上げていく時期の作品です。パー

 

『資金源強奪』(1975年、監督/深作欣二、脚本/高田宏治、撮影/赤塚滋、美術/井川徳道、音楽/津島利章、録音/溝口正義、照明/中山治雄、編集/市田勇)

資金源強奪

 


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