若尾文子映画祭

「若尾文子映画祭」公式サイト

 

昨年12月からスタートした名演小劇場の「若尾文子映画祭」、事前に購入していた前売券は4枚。料金はトータルで4,000円でしたが、映画『刺青』の画像をデザインしたポストカードを購入時に4枚いただきました。その前売券を使い切って“映画祭”の最後に見たのが、スクリーン初見の主演映画『お嬢さん』。劇場は名演小劇場(シニア会員の当日・1,000円)。グッド!

 

お嬢さん

『お嬢さん』 (1961年、監督/弓削太郎、脚本/長谷川公之、原作/三島由紀夫、撮影/小林節雄、録音/橋本国雄、照明/柴田恒吉、美術/山口煕、音楽/池野成)

 

以下は「若尾文子映画祭」公式サイトの作品に関する惹句と紹介文です。

 

苦労知らず「お嬢さん」の 大人の女性への変貌を描くラブコメディ

 

三島由紀夫の同名小説を映画化。会社部長の父、良妻賢母の母、親友・チエ子(野添ひとみ)を持つお嬢様のカスミ(若尾文子)は休日家に遊びに来た父の部下(川口浩)に惹かれ…。女子大生の成長する姿を描いた傑作ラブコメディ。ラブラブ

 

お嬢さん

 

主人公の若尾さん演じる“お嬢さん”の藤沢かすみは、そろそろ夢多き青春から結婚へのコースに向かう時期になっています。女子大生の彼女にはまだ結婚話はありませんが、父の会社で働く男性三人がしょっちゅう家に遊びにやって来て、そのうちの二人はどうやらかすみに好意を持っているよう…。若手サラリーマンを演じているのは川口浩と田宮二郎です。パンチ!

 

その気満々の田宮二郎は、会社の人脈を通じて彼女に結婚の意思を伝えますが、残念なことに若尾さんの気持ちは、田宮さんよりもちゃらんぽらんな“遊び人”タイプの川口さんにどんどんと傾斜していくのです。自ら“遊び人”であることを語ってみせる川口さんと、二人して暴走するように結婚へ突き進みますが、さほどの障害もなく二人は新婚生活を送ることに…。

 

お嬢さん

 

すでに結婚前から妄想癖のあるヒロインに描かれている若尾さんです。その妄想の描写は結婚後はさらにリアルに身に迫ることになります。彼女の悩む様子がいろいろと描かれますが、いずれも可愛い嫉妬心に発したものにしか見えなく、それはキュートな印象でした。クラッカー

 

いかにも世俗的な映画という気がしますが、作品の原作者はあの三島由紀夫です。これよりも以前に同じく三島原作で映画化された『永すぎた春』(1957年)も、若尾さんを主演にして撮られていますが、こちらもコミカルなタッチで綴られた恋愛劇だったような覚えがあります。

 

三島由紀夫といえば、映画化作品の原作者であることは当然ですが、若尾文子さんとの関係でいえば重要な“共演者”でもあります。増村保造監督がメガホンを取った『からっ風野郎』(1960年)では作家とは思えない役者ぶりでしたが、同窓の監督に共演者に若尾さんを求めたと言われています。作家・三島由紀夫も素直に若尾さんのファンだったのでしょう。パー

 

 


にほんブログ村