9月の後半、平日に仕事を終えてから名古屋シネマテークで連続鑑賞した2本の新作日本映画。1本目の映画『ドロステのはてで僕ら』は、京都を拠点に活動する人気劇団「ヨーロッパ企画」の短編映画「ハウリング」をリブートした劇団初となるオリジナル長編映画。原案・脚本を劇団の代表である上田誠、監督を劇団の映像ディレクター山口淳太が務めています。

 

2本目の映画『8日で死んだ怪獣の12日の物語 劇場版』は、樋口真嗣監督ら5人の監督が発案したリレー動画企画「カプセル怪獣計画」の番外編として、YouTubeで配信された短編シリーズの劇場版。岩井作品初出演となる斎藤工、武井壮、穂志もえかに加え、劇場版には追加キャストとしてのんも参加。劇場は名古屋シネマテーク(シニア会員1,000円×2)。グッド!

 

ドロステのはてで僕ら

『ドロステのはてで僕ら』公式サイト

 

以下は映画『ドロステのはてで僕ら』公式サイトに記載の紹介ストーリーです。

 

とある雑居ビルの2階。カトウがギターを弾こうとしていると、テレビの中から声がする。見ると、画面には自分の顔。しかもこちらに向かって話しかけている。「オレは、未来のオレ。2分後のオレ」。どうやらカトウのいる2階の部屋と1階のカフェが、2分の時差で繋がっているらしい。“タイムテレビ”の存在を知り、テレビとテレビを向かい合わせて、もっと先の未来を知ろうと躍起になるカフェの常連たち。DASH!

 

さらに隣人の理容師メグミや5階に事務所を構えるヤミ金業者、カフェに訪れた謎の2人組も巻き込み、「時間的ハウリング」は加速度的に事態をややこしくしていく……。襲いかかる未来、抗えない整合性。ドロステのはてで僕らは ――。

 

ドロステのはてで僕ら ドロステのはてで僕ら

 

カトウのいる2階の部屋と1階のカフェを、2分の時差でつなげているというシチュエーションを成り立たせている「タイムテレビ」 。この不思議な現象と機器の存在を知ったカフェの常連たちの中には、テレビとテレビを向かい合わせることにより、そこに“ドロステ効果”が生じると考える賢い奴がいます。もっと先の未来を知ろうと躍起になることで起きるドタバタ劇…。

 

2分の時差が“ドロステ”の繰り返しによって、大きな時間差を生じさせることになる。かなり荒唐無稽な設定ですが、ひとつビルの1階と2階(さらに上階もありますが…)だけで繰り広げられる不思議なドラマは、小さな事象から大きな出来事へと展開する。それを全編長回しの撮影で行っているように見せるアイデアと実行力には、本当に感心しました。上映時間70分の作品ですが、観客を楽しませる中身の濃い“タイムトリップ”ものに仕上がっています。パー

 

(2020年、監督・撮影・編集/山口淳太、原案・脚本/上田誠、音楽/滝本晃司、録音/平川鼓湖、美術/後藤円香、衣装/清川敦子)

ドロステのはてで僕ら

 

                                                 

 

8日で死んだ怪獣の12日の物語 劇場版

『8日で死んだ怪獣の12日の物語 劇場版』公式サイト

 

以下は映画『8日で死んだ怪獣の12日の物語 劇場版』公式サイトに記載の紹介ストーリーです。

 

通販サイトでコロナと戦ってくれるというカプセル怪獣を買ったサトウタクミ(斎藤工)。毎日怪獣の成長を配信しているタクミの元には、通販で宇宙人を買ったという後輩の丸戸のん(のん)や、コロナの影響で無職になってしまった先輩のオカモトソウ(武井壮)など、色々な人から連絡がくる。あせる

 

日に日に怪獣は成長していくが、どうもYouTuberもえかす(穂志もえか)が育てる怪獣とは種類が違うようだ。怪獣に詳しい知り合いの樋口監督(樋口真嗣)にノウハウを聞きながら、日々怪獣を育てていくタクミ。果たしてタクミはきちんと怪獣を育てることができるのか? そして、この怪獣はコロナをやっつけてくれるのか?

 

8日で死んだ怪獣の12日の物語 劇場版 8日で死んだ怪獣の12日の物語 劇場版

 

新型コロナウイルスと戦うというカプセル怪獣を通販で購入したタクミは、怪獣の成長過程を毎日SNSで配信している。彼は怪獣に詳しい知人の樋口監督のアドバイスを参考にしながら、日々成長する怪獣の飼育に奮闘するわけです。そんな彼のもとには、通販で宇宙人を買ったという後輩のんや、コロナ禍で失業した先輩オカモトから日々の出来事の連絡が入る。

 

新型コロナウイルスを倒すヒーローを育てるべく未知の怪獣を飼育する男と、周囲の人々の物語が展開するドラマ。全編ほぼリモートで撮影された映像で仕上げられている感じがしますが、実際はどうだったんでしょう。作品をモノクロ映像に仕上げているのも、かなり意図的なものなのでしょうが、私は不覚にも寝落ちそうになりました…。やがて2020年のコロナウィルス禍の年、こんなキワモノ映画があったと語られる…そんな作品であってほしいです。パー

 

(2020年、監督・脚本・造形/岩井俊二、原案/樋口真嗣、プロデューサー/宮川朋之、水野昌、主題歌/小泉今日子+ikire)

8日で死んだ怪獣の12日の物語 劇場版

 


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