東京ではヒューマントラストシネマ渋谷で6月に開催された「未体験ゾーンの映画たち2020 延長戦」の上映作品。そのうちの目ぼしい作品をチョイスしたような形で、名古屋で特集上映したのはシネマスコーレです。意外なビッグネームの出ている映画もありますが、基本的にはバイオレンス・アクションが主流で、私は2本の上映作品をスクリーン鑑賞しました。

 

1本目の映画『THE LAW  刑事の掟』は、ブルース・ウィリスが刑事役で出演し、警察組織の腐敗ぶりとヒロインが危機を脱していく展開のアクション映画。2本目の『ザ・クーリエ』は、『007 慰めの報酬』のオルガ・キュリレンコが元特殊部隊員の運び屋を演じるサスペンス・アクション。いずれも闘うのは“女たち”です。シネマスコーレ(シニア会員1,000円×2)。グッド!

 

THE LAW 刑事の掟 THE LAW 刑事の掟

 

ある日、スティーブ・ウェイクス警部補(ブルース・ウィリス)の同僚が殺害され、事件を目撃したウエイトレスのマディソン(ニッキー・ウィーラン)も銃撃戦に巻き込まれ負傷する。捜査を進めるうち、事件は警察内の組織犯罪であると突き止めるスティーブだが、証拠となる銃弾はマディソンの体内に残されたまま。彼女の命を狙う悪徳警官たちは、警察の立場を利用して病院の一棟を完全に占拠し、彼女の命を奪うべく、あらゆる手段を使い迫ります。メラメラ

 

ブルース・ウィリスの役どころは、本来はか弱きヒロインの窮地に登場する“ヒーロー”だと思うのですが、さほど目を奪うような活躍シーンがあるわけではないです。エンディングのクレジットを見れば、マディソンを演じたニッキー・ウィーランの主演作ということがわかります。

 

アメリカでの原題「Trauma Center」から、ほとんど意味不明の『THE LAW 刑事の掟』という邦題への変更は、ブルース・ウィリスの主演作であるかのように見せる“あざとい”手法に思えてなりません。映画を見終えて、この作品にフィットする邦題を考えていて、思いついたのが「閉鎖病棟」というタイトル。でも、これはそのまま日本映画にありました(笑)。パー

 

『THE LAW 刑事の掟』(2019年、監督/マット・エスカンダリ、脚本/ポール・ダ・シルバ、撮影/ブライアン・コス、編集/R・J・クーパー、音楽/ニマ・ファクララ)

THE LAW 刑事の掟

 

                                                 

 

ザ・クーリエ

 

この映画の主人公は、かつてシリア政府軍の壊滅作戦に参加した元特殊部隊員の女(オルガ・キュリレンコ)。戦地で兄を失った彼女は表舞台から姿を消し、裏社会の運び屋としてひっそりと生きていた。ある日、彼女は仕事中に、巨大犯罪組織のボスであるマニングス(ゲイリー・オールドマン)に命を狙われる殺人事件の証人ニック(アミット・シャー)を救う。パンチ!

 

彼女は証人のニックをバイクに乗せ逃走を図りますが、相手もその道のプロの集団。閉じ込められた広大な地下駐車場で、自らの生き残りを賭け、オルガ・キュリレンコ演じる女は過去と向き合い、再びその戦闘能力をフルに稼働させていくようになります。最初は彼女のことを軽く見ていた相手方も、屈強な男たちが次々に倒されて、なりふり構わぬ反撃に出ます。
 

ザ・クーリエ ザ・クーリエ

 

主演の闘うヒロインを演じているオルガ・キュリレンコですが、残念ながら私は彼女が出演した“ボンド映画”を見ておりません。自身のブログ内検索をすると、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の『ある天文学者の恋文』や、テレンス・マリック監督の『トゥ・ザ・ワンダー』に出演していますが、最も彼女の女優としての存在を意識したのが『故郷よ』という2011年の映画です。

 

ファッションモデルから女優業に転身してますから、その美貌もスタイルもやはり並ではありません。そんな彼女がバイクを疾走させ、銃撃戦を行い、屈強な男相手に闘いを繰り返す。そのアクションシーンのかなりの部分を本人が演じているというから驚きです。できれば傷つき汚れた彼女の姿だけでなく、魅力的な肢体の描写なども織り込まれたいたら…(笑)。

 

たまたまかもしれませんが、今回の企画で見た『THE LAW 刑事の掟』『ザ・クーリエ』は共に闘うヒロインのアクション映画でした。さらに闘う場所が、病院と駐車場という違いはありますが、いずれも“閉ざされた”空間であることが強く印象に残っています。抑えた予算の中でアクション映画を作り出すためには、“閉ざす”ことが重要なのかもしれません。パー

 

『ザ・クーリエ』(2019年、監督・脚本/ザカリー・アドラー、脚本/ジェームズ・エドワード・バーカー、ニッキー・テイト、アンディ・コンウェイ、衣装/ティナ・カリバス)

ザ・クーリエ

 


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