シェイクスピアの庭

『シェイクスピアの庭』公式サイト

 

コロナウィルス禍での営業自粛前から上映していた映画『シェイクスピアの庭』を、営業再開した名演小劇場で見ました。『ヘンリー五世』『から騒ぎ』『ハムレット』と、シェイクスピア作品を数多く手がけてきたケネス・ブラナーが、シェイクスピアの人生最後の3年間を描いた監督作であり主演作です。シェイクスピア役をブラナー、彼の年上の妻役をオスカー女優のジュディ・デンチが演じています。名演小劇場の今年度のサポート会員になったことで、誕生月の無料鑑賞の特典が、私の場合4月の誕生日なのですが、2ヵ月近く遅れて利用できました。グッド!

 

シェイクスピアの庭

 

以下は映画『シェイクスピアの庭』公式サイトに記載の紹介ストーリー(一部)です。

 

1613年6月29日、『ヘンリー八世』(発表当時のタイトルはAll is True)上演中にグローブ座を焼き尽くした大火災の後、断筆したシェイクスピア(ケネス・ブラナー)は故郷へ戻った。20余年ものあいだ、めったに会うことのなかった主人の突然の帰還。DASH!

 

8つ年上の妻アン(ジュディ・デンチ)と未婚の次女ジュディス(キャスリン・ワイルダー)、町医者に嫁いだ長女スザンナ(リディア・ウィルソン)は、驚きと戸惑いを隠せずにいた。そんな家族をよそに、17年前に11歳で他界したジュディスの双子の弟ハムネット(サム・エリス)の死に取り憑かれたシェイクスピアは、愛する息子を悼む庭を造り始める。――

 

シェイクスピアの庭 シェイクスピアの庭

 

ロンドンでは著名な劇作家として活動していたシェイクスピアですが、作家活動にピリオドを打って故郷の屋敷に帰って来ても、不在がちの長い間に生じた家族との溝はなかなか埋まりません。20年以上の間、ほとんど顔を合わせることのなかった主人の帰還に妻と娘たちは戸惑いを隠せない…。何やら“働きバチ”のような日本人男性の心情にも迫るドラマ設定です。あせる

 

そんな状況の中、シェイクスピアは17年前に幼くしてこの世を去った最愛の息子を悼むために、庭を造ることを思い立つのです。亡き家族を偲んで、追悼の気持ちを表現するために庭を造るという感情は、現代の日本人の私には持ち合わせていませんが、この作品においては大切なテーマです。娘たちとの確執もありながら、シェイクスピアの庭造りは続きます。

 

シェイクスピアの没年は1616年ですから、この作品に描かれた時代はわが国では徳川幕府が開幕したばかり。直系の男子を尊ぶ一方で、同じ子であっても女子には教育の機会も与えないなど、その時代を考えれば納得できるものです。シェイクスピアの才能はもしかしたらその娘に継承されていたかもしれませんが、結局は彼の代で家も途絶えることになります。パー

 

 

(2018年、監督・主演/ケネス・ブラナー、脚本/ベン・エルトン、撮影/ザック・ニコルソン、衣装/マイケル・オコナー、音楽/パトリック・ドイル)

シェイクスピアの庭

 


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