人間の時間

『人間の時間』公式サイト

 

韓国の映画監督といえば(その名前は覚えにくいのですが…)、今年のアカデミー賞においてパラサイト 半地下の家族で大喝采を浴びたポン・ジュノ、加瀬亮主演の自由が丘でなど独特の映像タッチで作品を撮り続けるホン・サンス。そして、この映画『人間の時間』のメガホンを取ったキム・ギドクの3監督は、私にとっては忘れることない韓国人監督です。

 

『嘆きのピエタ』『メビウス』などで知られる韓国の鬼才キム・ギドクですが、今回の新作『人間の時間』のチラシには、「世界三大映画祭を制した狂才キム・ギドクが描く衝撃のディストピア!」とあります。たしかに人間の欲望が暴走していく過激な作品であり、ダークなファンタジー映画という印象を受けました。劇場は名古屋シネマテーク(シニア会員1,000円)。グッド!

 

人間の時間 人間の時間

 

以下は映画『人間の時間』公式サイトに記載の紹介ストーリーです。

 

休暇へ向かうたくさんの人々を乗せ、退役した軍艦が出航する。 乗客には、クルーズ旅行にきた女性(藤井美菜)と恋人のタカシ(オダギリジョー)、有名な議員(イ・ソンジェ))とその息子(チャン・グンソク)、彼らの警護を申し出るギャング(リュ・スンボム)たち、謎の老人(アン・ソンギ)など、年齢も職業も様々な人間たちがいる。あせる

 

大海原へ出た広々とした船の上で、人々は酒、ドラッグ、セックスなど人間のあらゆる面を見せる。荒れ狂う暴力と欲望の夜の後、誰もが疲れて眠りにつき、船は霧に包まれた未知の空間へと入る――。翌朝、自分たちがどこにいるのかわからず、そこから出られるのかもわからない状況に唖然とする人々は、生き残りをかけて悲劇的事件を次々に起こしていく。

 

人間の時間

 

恋人とともに旅行を楽しむ女性、有名な議員とその息子、そして謎の老人ら、様々な人々を乗せて船は出航する。かつては軍艦でありながら退役後はクルーズ船となった船が大海原へと出た頃、乗客たちは酒、ドラック、セックスへと、その欲望を開放していく。狂乱の夜が過ぎて、眠りについた彼らが目を覚ますと、船は霧に包まれた未知の空間に突入していた…。ドンッ

 

何が起こったのかは誰にも理解はできませんが、突き詰められた現実を前にして呆然としていた人々も、やがて自らの生き残りのために必死の行動に出ます。秩序の崩壊した船内で、残された食糧をめぐる醜い争いが始まります。開放され暴走していく“性”への欲望、その後には終りの見えない“食”への欲望が展開します。やはりHすることより、もの食うことが大事…。

 

韓国映画ですが、日本人俳優は普通に日本語を話し、それが特に字幕化されてもいません。オダギリジョーは客演のようなもので、驚くほどあっさりと“船外”へと送られます。終盤に至り残された男女は、アダム役のチャン・グンソクとイヴ役の藤井美菜という状況になります。藤井美菜という女優のことをまったく知りませんでしたが、この作品は彼女がヒロインです。パー

 

映画      

 

ゴールデンウィーク明けの5月7日(木)から営業再開する予定の名古屋シネマテーク。上映作品のプログラムを組むことにも苦労されたと思いますが、この刺激的なキム・ギドク作品はしばらく上映されます。ギドク作品を知る人も知らない人も、ぜひともご覧になってくださいませ。

 

・現在、休業中の名古屋シネマテークへの支援 ⇒ 「名古屋シネマテーク・エイド」

・全国で休業を余儀なくされているミニシアターへの支援 ⇒ 「ミニシアター・エイド基金」

 

 

(2018年、監督・脚本/キム・ギドク、音楽/パク・イニョン)

人間の時間

 


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