大須シネマ

 

昨年の秋に初めて出かけた大須シネマで見た映画は石原裕次郎主演の『太平洋ひとりぼっち』でした。それ以降、上映作品はチェックしていて見たい作品はあったのですが、なかなか大須まで足を伸ばす踏ん切りがつかない…。実際に映画を見終えて大須から歩けば、矢場町や伏見などは地下鉄を使わないで、まったく平気です。また出かけようと思っています。


今回の2度目の大須シネマで見た映画は、神代辰巳監督の1974年の日活映画『宵待草』。3月24日の振替休日の午前10時からの上映に出向きましたが、上映開始から終了まで観客は私ひとり。久しぶりに完璧な“おひとり様”鑑賞でした。学生時代に映画館でバイトしていましたから、この“おひとり様”の状態は居心地がすごく悪いです(午前上映作は料金1,000円)。グッド!

 

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宵待草

『宵待草』(1974年、監督/神代辰巳、脚本/長谷川和彦、製作/岡田裕、撮影/姫田真佐久、美術/横尾嘉良、音楽/細野晴臣、カラー作品)

 

1970年代の映画や音楽、その時代の雰囲気に今も心を引きずられている“ももじろう2号”であります。1974年当時、すでにロマンポルノに転じていた日活作品の『宵待草』ですが、これは75年の正月映画として公開された一般映画です。当時、高校1年の私は映画への興味は募りつつありましたが、日活映画や神代作品なんて興味ない…。今回が初見の作品です。

 

舞台となるのは大正時代。浅草六区の活動写真館の弁⼠、⿊⽊⼤次郎(青木義朗)を⾸領株に「ダムダム団」というアナーキストの集団があり、 弁⼠⾒習いの平⽥⽞⼆(夏八木勲)が副団⻑格で数⼗名の団員がいるという設定のようです。そして、成⾦代議⼠・⾕川武彦(仲谷昇)の息⼦で⼤学⽣の国彦(高岡健二)も彼 らの仲間になって行動を共にしています。パンチ!

 

ある⽇、温泉場へ⾏く乗合⾺⾞で国彦は令嬢⾵の娘・しの(高橋洋子)と出会い、虚無的な男・北天才(荻島真一)とも知り合う。北の自死による弔いを終えると、東京に戻る国彦。次なるダムダム団の計画は、政界の⿊幕・北条寺(浜村純)の孫娘を誘拐することでしたが、その誘拐した相手がしのだった…。そこから頓珍漢な若い男女の逃避行のドラマが始まります。

 

宵待草

 

この映画は神代辰巳監督の作品ですが、脚本に長谷川和彦、音楽に細野晴臣という今から考えると“ビッグネーム”(?)が名を連ねています。1973年から75年までの3年間の神代監督と女優・高橋洋子の出演作をまとめます。その時期、私は15歳~17歳だったんですね~。

 

神代辰巳・監督作品

1973年→『恋人たちは濡れた』『女地獄・森は濡れた』『やくざ観音・情女仁義』『四畳半襖の裏張り』  1974年→『濡れた欲情・特出し21人』『四畳半襖の裏張り・しのび肌』『鍵』『青春の蹉跌』『赤線玉の井・ぬけられます』『宵待草』  1975年→『櫛の火』『アフリカの光』『黒薔薇昇天』『濡れた欲情・ひらけチューリップ』

 

高橋洋子・出演映画作品

1974年→『流れの譜 第一部動乱 第二部夜明け』『サンダカン八番娼館 望郷』『蔵王絶唱』『宵待草』  1975年→『櫛の火』『アフリカの光』『鴎よ、きらめく海を見たか めぐり逢い』

 

ちなみに1972年『旅の重さ』でスクリーンデビューした高橋洋子は、1973年はNHKの朝のテレビ小説「北の家族」のヒロイン役を務めていて、この年の映画への出演はありません。74年末のこの映画『宵待草』に続き、神代作品に連続出演しているのは監督に気に入られたからでしょうか。いずれにしても、この時期の高橋洋子には幼い(?)映画ファンも魅了するスクリーンでの“きらめき”がありました。自身の裸の描写も厭わないのは、この時代らしいです。パー

 

宵待草

 


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