俳句を作るようになってから一年余りですが、
手もとには角川文庫の「俳句歳時記」をおいて、日々"学習”をしております。
「歳時記」の世界は、日本人の季節感の根幹に関わるものが
ふんだんに纏められているという印象を受ける今日この頃です。
その季節ごとの動植物や行事の紹介よりも、
やはり微妙にして奥深いのは、その時季の空気や気温や風、
あるいは空や月や星などを捉まえる感覚でしょうか。
ここ最近は帰宅に向かうJR名古屋駅の8番ホームでは、
東京・大阪に向かう上下の新幹線車両の上部をおおう
西の空をぼんやりと眺めることが多いです。
その名古屋駅からの西空の"観察”からすると、
晴れ渡った空を眺めることは、一年を通しても数えるほどしかない。
そもそも私自身は晴れた空を見ることより、
空をおおい流れていく雲を見ているのが好きです。
そして、その時の雲の様子によっては
その雲に乗ってどこかに行きたい…という気分になります。
雲に乗るという感覚がどこから生まれたのか気になりますが、
幼い時に読んだ石井桃子の小説「ノンちゃん雲に乗る」や、
孫悟空の"きんと雲"のイメージが影響しているのかもしれません。
しかしここ最近、名古屋駅から西空を眺めながら心の中で響いているのは、
黛ジュンの歌う「雲にのりたい」です。
時々は、ぼんやりとしながら口ずさんでいるかもしれません。
周囲から見れば、かなり危ないオヤジに映っているでしょうね。