午前十時の映画祭

「午前十時の映画祭10」公式サイト

 

今年度でファイナルを迎える「午前十時の映画祭」ですから、上映作品はできる限り逃さずに見ようと思っていましたが、やはり新作映画の鑑賞を優先するため思うほどには劇場には出向けません…(汗)。それでもスクリーン未見の上映作は見るべし!と思っていましたから、ルキノ・ヴィスコンティ監督の代表作の一本『ベニスに死す』は逃さずにスクリーン鑑賞。

 

トーマス・マンの同名原作小説を映画化した本編は1971年に公開されています。ヴィスコンティの作品としては『地獄に墜ちた勇者ども』『ルートヴィヒ』と合わせて“ドイツ三部作”という括られ方をするようです。テーマ曲にマーラーの交響曲第5番・第4楽章アダージェットを使用し

マーラー人気が再燃しました。劇場はミッドランドスクエアシネマ2(シニア当日1,100円)。グッド!

 

ベニスに死す

『ベニスに死す』(1971年、監督・脚本/ルキノ・ヴィスコンティ、脚本/ニコラ・バダルッコ、原作/トーマス・マン、撮影/パスカリーノ・デ・サンティス、衣装/ピエロ・トージ、音楽/グスタフ・マーラー、編集/ルッジェーロ・マストロヤンニ)

 

以下は「午前十時の映画祭10」の公式サイトに記載されている映画『ベニスに死す』の紹介ストーリーと解説です。

 

1911年。ドイツの名だたる作曲家アシェンバッハ(ダーク・ボガード)は、休暇で水の都ベニスを訪れる。ホテルのサロンには世界各国からの観光客が集まっていたが、アシェンバッハはそこで母親(シルヴァーナ・マンガーノ)の隣に座る少年タジオ(ビョルン・アンドレセン)に目を奪われた。透き通るような美貌としなやかな肢体、まるでギリシャの彫像を思わせる少年の姿に心は震え、その時からアシェンバッハはタジオの虜となった―。


イタリアの巨匠ヴィスコンティ畢生の超大作。静養のためベニスを訪れた老作曲家は、ふと出会った貴族の血を引く美少年の美しさの虜となる。病に侵された老作曲家は、日々少年の姿を追ってベニスの街を彷徨い続けるが―。叫び

 

ベニスに死す

 

音楽活動と体調が思わしくなく、静養のためにベニスを訪れた老作曲家のアシェンバッハ。そこでポーランド貴族の血を引く美少年タジオに目を奪われます。その美貌と肢体、漂う雰囲気は彼が理想としていた“美”の世界のもの…。それ以来、アシェンバッハはホテル内でもビーチでもタジオの姿を追い求めます。やがて浜に続く回廊をタジオを求めて彷徨ったりもする。あせる

 

ある日、ベニスの街中で消毒が行われている。誰も真実を語らない中、疫病が流行していることを聞きつけるアシェンバッハですが、それでも彼はベニスを去りません。そこにタジオがいるからです。白髪染めで若作りをしたアシェンバッハは白粉と口紅を施した姿で、死臭漂うベニスの街をタジオを求め歩き続けます。現実と妄想が錯綜するようなシーンの行きつく先は…。

 

イタリア映画界の巨匠、ルキノ・ヴィスコンティが、美少年への思いを募らせた老作曲家の苦悩と人生の終焉を描いた作品。鑑賞するまではマーラーの音楽とビョルン・アンドレセンの美貌の記憶から、少年愛を背景にした文芸作品のように思っていました。実際に見てみれば、老いた作曲家が自身の“美”の世界にこだわり、過去の回想や後悔、さらには妄想めいた世界に踏み込んでいく。老いた者が見るには、実に残酷な芸術的で退廃的な作品です。パー​​​​​​​

 

ベニスに死す

 


にほんブログ