今年度の「午前十時の映画祭」の鑑賞のトリを飾ったのは、1976年公開のアラン・J・パクラ監督の『大統領の陰謀』。1972年、ウォーターゲート事件の真相を追い、最終的にニクソン大統領を辞任に追い込んだ2人の新聞記者ボブ・ウッドワードとカール・バーンスタインの取材活動をサスペンスフルに描いた実話の映画化。2人の新聞記者を演じているのはダスティン・ホフマンとロバート・レッドフォード、個性は異なりますが共に1970年代を代表する俳優です。

 

全体にドキュメンタリー風の地味な作品という印象を受けましたが、第49回アカデミー賞で作品賞・監督賞をはじめ計8部門にノミネートされ、助演男優賞、脚色賞、録音賞、美術賞の4部門で受賞。2人の上司である編集主幹のベン・ブラッドリーを演じたジェイソン・ロバーズの助演男優賞には“納得”します。  劇場はミッドランドスクエアシネマ(シニア当日1,100円)。グッド!

 

午前十時の映画祭

 

大統領の陰謀

『大統領の陰謀』(1976年、監督/アラン・J・パクラ、脚本/ウィリアム・ゴールドマン、撮影/ゴードン・ウィリス、音楽/デヴィッド・シャイア、編集/ロバート・L・ウォルフェ)

 

以下は「午前十時の映画祭9」の公式サイトに記載されている映画『大統領の陰謀』の紹介ストーリーです。

 

1972年6月17日、ワシントンのウォーターゲート・ビル内・民主党全国委員会本部に不法侵入した5人の男が逮捕された。ワシントンポスト紙の社会部記者ボブ・ウッドワード(ロバート・レッドフォード)は、その事件の取材のため裁判所に赴くが、容疑者にCIA関係者がいることを知り、この事件が単なるオフィス荒らしではないことを直感する。ボブは先輩記者カール・バーンスタイン(ダスティン・ホフマン)と共に、さらなる取材を開始するが―。あし

 

大統領の陰謀

 

ワシントン・ポスト紙に入社して間もない新米記者のウッドワードですが、裁判を取材した際に事件が単なる窃盗目的ではないと直感し、さらに踏み込んだ取材を開始します。一方、先輩記者のバーンスタインもこの事件に興味を持ち、ウッドワードの書いた原稿を勝手に推敲したりします。反発を覚えながらもウッドワードはバーンスタインの記者としての手腕を認めます。

 

この侵入事件が国家の自由な選挙制度とプライバシーに対する市民権を破壊しようとする巧妙な犯罪の氷山の一角にすぎないことがわかると、ワシントン・ポスト社内では調査の続行が決定される。しかし、当初は政治の厚い壁に阻まれて調査は進まない。やがて謎の人物“ディープ・スロート”(ハル・ホルブルック)の助言や示唆もあって、現大統領ニクソン再選委員会の選挙資金の流れの不自然さに行き着きます。それにより侵入事件の全貌も明らかに…。爆弾

 

事実関係の調査を済ませた記者たちは事件を記事にする。情報提供者たちの証言の裏が取れない内は断固として掲載を認めなかったブラッドリー(ジェイソン・ロバーズ)も掲載を許可。しかし、この記事に対して主幹のブラッドリーとワシントン・ポスト紙はニクソン政権から名指しで非難と冷笑を浴びせられる。さらには情報提供者にも証言を翻され、2人の記者は窮地に立たされるのですが、ブラッドリーはあくまでも2人の記者を後押しする態度を取ります。

 

ウッドワードを演じたロバート・レッドフォードも若く、バーンスタインを演じたダスティン・ホフマンの佇まいも、いかにも1970年代という感じでした。この個性の異なる2人の連携と“協同”作業が作品としての見どころであることは間違いありません。さらに彼らの記者活動を支援するワシントン・ポストの上層部の男たち、その気骨のある態度に気持ちが高まる作品です。パー

 

大統領の陰謀


 


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