名古屋の名演小劇場で行われた「華麗なるフランス映画」ですが、事前に前売券(1,000円)を3枚購入していました。今の私は「シニア会員」ですから土・日曜日の週末に、当日券を買い求めても料金は1,100円ですが、最初から週末の劇場鑑賞がわかっているだけに100円の差額を惜しんだわけです。より多くの映画を見るためには、地道な“節約”も大切なことです。あせる

 

ドロンの『太陽はひとりぼっち』、ドヌーブの『哀しみのトリスターナ』と続けて見てきて、GWの終盤の土曜日に連続鑑賞したのは『ダンケルク(1964)』『エヴァの匂い』です。『ダンケルク(1964)』はジャン=ポール・ベルモンドを主演に据えた、フランス映画には珍しい戦争ドラマ。『エヴァの匂い』はジャンヌ・モローが魔性の女を演じる、フランス映画らしい濃密なドラマでした。名演小劇場(1本は前売券1,000円、もう1本は6ポイント獲得での無料鑑賞)。グッド!

 

「華麗なるフランス映画」公式サイト

 

ダンケルク1964

『ダンケルク(1964)』(1964年、監督/アンリ・ヴェルヌイユ、原作・脚本/ロベール・メルル、脚本/フランソワ・ボワイエ、撮影/アンリ・ドカエ、音楽/モーリス・ジャール)

 

第2次世界大戦下のダンケルクの戦いを描いた映画といえば、つい最近クリストファー・ノーラン監督が映像化した『ダンケルク』があり、ゲイリー・オールドマンがアカデミー賞を獲得した『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』も、まさにその時期の英国を舞台にした映画でした。そういう意味では、この映画の鑑賞は私にはタイムリーなものといえます。DASH!

 

この映画の監督は『地下室のメロディー』のアンリ・ヴェルヌイユで、主演はジャン=ポール・ベルモンドというフランス・イタリアの合作映画。ですから、ドイツ軍のフランス侵攻によって追いつめられた港町ダンケルクが舞台になっていますが、主人公のベルモンドはイギリス人兵士ではなくフランス人兵士という設定です。1940年6月初旬の週末、撤退するイギリス軍の艦船に何とか乗り込んでフランスを離れようとするベルモンドに、一人の女性が絡んできます。

 

ダンケルク1964

 

フランス北部ダンケルクにほど近いズイドコートの海岸、40万人に近い英仏連合軍の兵士達が絶望と不安に突き落されて、この地に留まっていた。その頃、イギリス軍はドーヴァー海峡を渡り始めていたが、フランス人兵士の乗船は拒否しているという噂が広まっていた。英語が話せるマイヤ(ジャン=ポール・ベルモンド)は乗船交渉のため英軍の将校に会いに行く。パンチ!

 

その際に、マイヤは水を求めて一軒の家に立ち寄り、そこでジャンヌ(カトリーヌ・スパーク)という娘と出会います。一旦は英国兵と一緒に貨物船に乗り込むマイヤですが、途中で船はドイツ゚軍の弾を受けて炎上します。とっさに海に飛び込み、火傷した兵士を助けながら海岸まで泳ぎつく―。このあたりの惨状はノーラン監督の『ダンケルク』でも描いていた気がします。

 

疲れ切った体でやって来たジャンヌの家で、マイヤは二人のフランス兵に犯されそうになっている彼女を救います。このあたりからマイヤとジャンヌは急接近していきますが、マイヤを演じるベルモンドには常に抑制が働いているように思えます。カトリーヌ・スパーク演じるジャンヌとの関係に彼が一歩踏み出した時、ダンケルクへの空爆も一層激しさを増したかのようで、映画のエンディングは皮肉なものになります。メロドラマ的な男女のドラマのような展開です。パー

 

ダンケルク1964

 

                                                  

 

エヴァの匂い

『エヴァの匂い』(1964年、監督/ジョセフ・ロージー、原作/ジェームズ・ハドリー・チェイス、脚本/ヒューゴ・バトラー、エヴァ・ジョーンズ、音楽/ミシェル・ルグラン)

 

フランス映画の代表的な女優といえば、私はカトリーヌ・ドヌーブよりもジャンヌ・モローの方がまず先に頭に浮かびます。彼女の出演作では、ルイ・マル監督の『死刑台のエレベーター』、ロジェ・ヴァディム監督の『危険な関係』、フランソワ・トリュフォー監督の『突然炎のごとく』、ジャック・ドゥミ監督の『天使の入江』などを見ていますが、錚々たる顔ぶれの監督たちです。

 

そして彼女の演じる役柄といえば、関係する男を破滅へと導くような“魔性”を秘めた女を演じることが多いです。この映画『エヴァの匂い』はイギリスの作家ジェームズ・ハドリー・チェイスの小説を、ジョセフ・ロージー監督が映像化していますが、“魔性”の女であるという点ではかなり強烈な作品です。美人女優の恋人がいる主人公ティヴィアンが翻弄され続けます。パンチ!

 

エヴァの匂い

 

作品の冒頭は雨にけむるヴェニス。ゴンドラから過ぎゆく景色を眺めている女はエヴァ(ジャンヌ・モロー)。彼女に夫がいるかどうかは誰も知らないが、彼女のためにいく人もの男が身を滅していったことは有名だ。新進作家として富も名声も得たティヴィアン(スタンリー・ベイカー)もそうした男のひとり。今は落ちぶれたティヴィアンの回想による倒叙スタイルの物語です。ドンッ

 

ティヴィアンは処女作が大当りをとり、一挙に富も名声も獲得した新進作家。あとは女優である恋人のフランチェスカ(ヴィルナ・リージ)と結婚するばかりという恵まれた状態です。しかし、ある雨の夜、ティヴィアンの別荘にずぶ濡れになった男と女が迷いこんでくる。それがティヴィアンとエヴァとの最初の出会いだったが、彼にはエヴァの面影がやきついて離れなくなる。


男から誘われるのを待つのではなく、自らが欲した時に行動するエヴァは、男性から束縛されることを嫌う。フランチェスカとの結婚生活に至ってからも、エヴァからの誘いの電話は断れない…。美しく気立てのいい妻を演じているヴィルナ・リージを魅力的に映すほどに、ジャンヌ・モローの“魔性”の魅力がより輝きを増すような映画。2女優のコントラストが鮮やかです。パー

 

エヴァの匂い

 


にほんブログ村