20センチュリー・ウーマン

『20センチュリー・ウーマン』公式サイト

 

自身のゲイの父親をモデルにした映画『人生はビギナーズ』で注目を集めたマイク・ミルズ監督の新作映画『20センチュリー・ウーマン』。今回は監督自身の母親に焦点を当てた人間ドラマを撮っているということですから、父に捧げる『ウンベルトD』という映画を撮ったイタリアの“巨匠”ヴィットリオ・デ・シーカ同様に、とても親孝行な映画人なのだろうと思います(笑)。

 

この『20センチュリー・ウーマン』というタイトルを最初に見た時は、日本のコミックと映画の『20世紀少年』をすぐに連想しました。しかし、本編の原題が「20th Century Women」ということを知れば、それってそのまま「20th Century Fox」(20世紀フォックス)の“もじり”なのかなと連想は大きく転じました。ミッドランドスクエアシネマ2(会員サービスデー1,100円)。グッド!

 

20センチュリー・ウーマン

 

以下は『20センチュリー・ウーマン』公式サイトに記載の紹介ストーリーです。

 

1979年のカリフォルニア州サンタバーバラ。シングルマザーのドロシア(アネット・ベニング)は、思春期を迎える息子ジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)の教育に悩んでいた。ある日ドロシアはルームシェアで暮らすパンクな写真家アビー(グレタ・ガーウィグ)と、近所に住む幼馴染みで友達以上恋人未満の関係、ジュリー(エル・ファニング)に「複雑な時代を生きるのは難しい。彼を助けてやって」とお願いする。15歳のジェイミーと、彼女たちの特別な夏がはじまった。音譜

 

画像を貼りつけた映画チラシに5人の主要人物が並んでいます。向かって右端が主人公というべき15歳のジェイミー(1964年生まれ)、左端は元ヒッピーで年齢不詳のウィリアム(ビリー・クラダップ)です。中心にいるのはジェイミーを40歳の年齢で出産した母親ドロシア、1924年生まれの55歳。その両脇にいるのが、ジェイミーの人生の指南役として母親に見込まれたアビー(1955年生まれ、24歳)とジュリー(1962年生まれ、17歳)の二人の素敵な女性です。クラッカー

 

20センチュリー・ウーマン

 

映画を見るまでは『20センチュリー・ウーマン』というのは、「大恐慌時代の女」である母親ドロシアのワーキング・ウーマンとして生きてきた生涯を表象しているのかと思っていました。しかし、映画を見終えれば、この進歩的な母親だけではなく、ジェイミーの思春期に多大な影響を与えた1950年代生まれのアビーや、同世代のジュリーもこの“ウーマン”なのでしょう。合格

 

パンクやニュー・ウェイブ、女性解放運動に熱心なアビーはジェイミーにポップ・カルチャーとフェミニズムの知識を伝えます。ジェイミーより2歳年上のジュリーはSEXの経験は豊富なのですが、ただひとり心を許せる異性のジェイミーとは絶対に肉体関係を持とうとはしません。ジュリーのことが異性として好きなジェイミーですが、ベッドに同衾しながらもSEXなしで通します。


映画の舞台になっているのが1979年、ジェイミー15歳の年です。40歳の年の差がある“さばけた”母親と、個性的な二人の女性に囲まれた“ひと夏”が終わります。主人公の人生の“水先案内人”ともいうべき三人の女性の人生が、その後にどのように転じたのか。年代の微妙に異なる個人史を伝えるラストの“グラフィティ・スタイル”を、私は佇む想いで見つめました。パー

 

(2016年、監督・脚本/マイク・ミルズ、撮影/ショーン・ポーター、美術/クリス・ジョーンズ、編集/レスリー・ジョーンズ、音楽/ロジャー・ネイル)

20センチュリー・ウーマン

 

20センチュリー・ウーマン

 


にほんブログ村