お嬢さん

『お嬢さん』公式サイト http://ojosan.jp/

 

イギリスの人気ミステリー作家サラ・ウォーターズの小説「荊の城」を原案に、物語の舞台を日本統治下の韓国に置きかえて描いたパク・チャヌク監督の新作『お嬢さん』。上映時間2時間25分の長尺で、「R+18」の成人指定を受けています。終盤にちょっとした暴力シーン(?)は出てきますが、やはり女優二人が挑んだエロチックなシーンが“指定”の理由なのでしょうね。

 

舞台は1930年代末、日本統治下の韓国。人里離れた土地に建つ屋敷で、日本文化に傾倒した支配的な叔父と共に暮らす“お嬢さん”の財産を奪い取ろうと計画する詐欺師たち。スラム街で詐欺グループに育てられた少女がメイドとして屋敷に送り込まれますが…。狸と狐の化かし合いのような物語が展開します。センチュリーシネマ(10ポイント獲得での無料鑑賞)。グッド!

 

お嬢さん

 

以下は映画『お嬢さん』の宣伝チラシに記載のコピーと内容紹介(一部)です。

 

パク・チャヌクが放つ 『オールド・ボーイ』を遥かに凌ぐ、

狂おしい官能と欲望の罠。 誰が騙し、騙され、愛されたのか―――?

 

華麗で過激な、究極の騙し合いを描いた超衝撃作。ドンッ

 

映画は三部構成で、舞台は1939年の朝鮮半島。支配的な叔父(チョ・ジヌン)と、膨大な蔵書にに囲まれた豪邸から一歩も出ずに暮らす華族令嬢・秀子(キム・ミニ)のもとへ、新しいメイドの珠子こと孤児の少女スッキ(キム・テリ)がやってくる。実は詐欺師一味に育てられたスッキは、秀子の莫大な財産を狙う“伯爵”(ハ・ジョンウ)の手先だった。

 

伯爵はスッキの力を借りて秀子を誘惑し、日本で結婚した後、彼女を精神病棟に入れて財産を奪う計画だ。だがスッキは美しくも孤独な秀子に惹かれ、秀子も献身的なスッキに心を開き、二人は身も心も愛し合うようになってしまう……。 ラブラブ

 

お嬢さん

 

三部構成の第一部は、“伯爵”の指示のもとに“お嬢さん”秀子に近づくスッキの視点で描かれています。騙している立場の人物が、実は騙されていた…という意外な展開で第一部が終わるのですが、なぜそうした展開になったのか、第二部の“お嬢さん”秀子の視点での物語を見ることで腑に落ちます。ただ、これはまだ“ひねり”の効いた物語の前段に過ぎません。あせる

 

第三部に至ると、“お嬢さん”秀子の実像と物語の真相が見えてくるわけですが、彼女に多大な影響を与えているのが、実は希少本のコレクターである叔父の偏執的な趣味にあることがわかります。この叔父は日本の“枕絵”が載っているような性にまつわる希少本を収集し、その小説の“朗読会”を開催しています。その朗読を担当するのが“お嬢さん”というわけです。

 

日本風の和風の意匠の地下室で、和装で髪を結いあげた“お嬢さん”が朗々と日本語のスケベ小説(?)を読み上げるのです。その場にいるのは叔父の目にかなった同好の士ばかりという感じです。「チン●が」「マン○に」などと高らかに読み上げられる日本の小説らしきもの。字幕なしで理解できることに、少しばかり感動を覚えました。感動するところが違うかな。パー

 

 

(2016年、監督・脚本/パク・チャヌク、脚本/チョン・ソギョン、原作/サラ・ウォーターズ、撮影/チョン・ジョンフン、美術/リュ・ソンヒ、音楽/チョ・ヨンウク)

お嬢さん

 

お嬢さん

 


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