全員地獄行き決定だ!!
って言ったら生きながらにして地獄を見ることになるでしょうが・・・・

さて、
疑問その①「お経」について
疑問その②「仏教の世界観(死後の世界)」を考えたので、
次の疑問
疑問その③「地獄のシステム」について考えていきたいと思っています。
(今回も長いです。面白味もありません。過去に「その①」「その②」を書きましたので興味がある方は参考にしてください。)

地獄には階層が色々ありまして、生前の罪の重軽によって堕ちる場所が異なり、重いほど下層に堕とされるそうです。

『最上層から』(八大地獄編八熱地獄ともいわれる。八大地獄は、層を降りるごとに苦しみは10倍、刑期は8倍になるそうです。)
(人間の寿命に換算して何年の刑期を終えないと転生できないのかをカッコ内に書いておきました。地獄の階層によって1日の長さが違う為、最後の層の方は「巨大な正方形の石を、100年に一度柔らかな綿で軽く払い、その繰り返しで石が磨耗、消滅するよりもさらに長い時間」とWikipediaに書いてありました。)

【等活(とうかつ)地獄】
生前に殺生をした者が堕ちる場所。(1兆6653億年)
(織田信長が好きだったとされる幸若舞の「敦盛」の一説に『人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻のごとくなり、一度生を受け滅せぬ者のあるべきか」とあるのですが、下天というのは天界の中の一番下に位置する場所で、そこに住む人たち(仏教を守る役目の毘沙門天(四天王)とその部下たち)の1日は、人間界の50年にあたるそうです。この等活地獄の衆人の寿命は500歳で、ここの1日の時間は四天王の寿命500歳(人間の寿命に換算すると500×365×50=912万5千年)基準としているそうです。
(こんがらがってよくわからないんですが^^、計算をすると、人間界でいう1兆6653億年に相当するらしいのです。)

【黒縄(こくじょう)地獄】
殺生の上に盗みを重ねた者が堕ちる場所。(13兆年)

【衆合(しゅうごう)地獄】
殺生・盗みの上に淫らな行いを重ねた者が堕ちる場所。(106兆5800億年)

【叫喚(きょうかん)地獄】
殺生・盗み・邪淫・飲酒[以下略]。(852兆6400億年)

【大叫喚(だいきょうかん)地獄】
殺生、盗み、邪淫、飲酒、妄語。(6821兆1200億年)

【焦熱(しょうねつ)地獄】
殺生、盗み、邪淫、飲酒、妄語、邪見[仏教の教えとは相容れない考えを説き、また実践する](5京4568兆9600億年)

【大焦熱(だいしょうねつ)地獄】
殺生、盗み、邪淫、飲酒、妄語、邪見、犯持戒人[尼僧・童女などへの強姦](長すぎて不明)

【阿鼻(あび)地獄】
殺生、盗み、邪淫、飲酒、妄語、邪見、犯持戒人、父母・阿羅漢[聖者]殺害(長すぎて不明)

となり、これを「八大地獄」というそうです。八大地獄にはそれぞれの層で十六の小地獄があり、細かい罪状の設定で収監される場所が決まっているそうです。

・例えば「不倫」をすると、どこの地獄の、どの小地獄に堕とされるかというと・・・

衆合地獄無彼岸受苦処(むひがんじゅくしょ)に堕ち、火責め、刀責め、熱灰責め、病苦による責めなど、次から次へと責め苦を106兆5800億年間分受けなくてはならないそうです。

皆様ぜひ覚悟の上での不倫や浮気をおススメ致します!

(ちなみに女性の口を使って淫らな行為をしたものは割刳処(かっこしょ)へ、動物を相手に性行為を行った者は団処(だんしょ)へ収監されるそうです。
他にも、牛の糞に火をつけて自らの身を焼いたら、焦熱地獄の
饒骨髄虫処(にょうこつずいちゅうしょ)に堕ちるそうです。法螺貝吹いて人をおどろかせた人の為の地獄もありました。(ものすごく限定的な理由ですよね・・。)


※詳しく知りたい方はWikipediaに
十六小地獄で載ってますのでチェックしてみてください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E5%85%AD%E5%B0%8F%E5%9C%B0%E7%8D%84
 
 
 
  
  
 叫喚地獄の大剣林処(だいけんりんしょ)人里離れた荒野の街道で酒を売った者が落ちる。高さ1由旬の剣樹の林があり、獄卒にそこへ追い立てられる。剣樹の幹は炎に包まれ、葉は鋭い刃になっており、揺れるたびに無数に落下して下のものを切り裂く。逃げ出したくても外には常に極卒がいる。
ですって!!

※この(八熱地獄の)他にも八寒地獄というのもあるそうです。

また日本では(たぶん中国生まれの日本ルールとなるのだと思うのですが)、熊野比丘尼がひろめた地獄絵図というのがありまして、その絵の中には「不産女(うまずめ)地獄」、「両婦(ふため)地獄」、「血の池地獄」が描かれており、この三つは、女しか堕ちない地獄なんだそうです。
「不産女(うまずめ)地獄」は、子供を産まなかった女性(男児を産めなかった女性も含まれる)、が堕ちる地獄。
「両婦(ふため)地獄」は、夫がつくった愛人に嫉妬心を抱いた妻が堕ちる地獄。
「血の池地獄」は、経血や出産時に血を流し、地神を穢れさせた罪で堕ちる地獄。
(現在の大相撲も、神聖な土俵に女を上げてはならない。という伝統が残っているようですが、理由はこれと同じで、不浄な血を流す女性は穢れだ。という考えがあるからだそうです。)
つまり、女に生まれてきただけで地獄行き決定!という設定が設けられていたようです。
(それを回避するために「血盆経(けつぼんきょう」という追善供養をすれば助けられるという布教もあったようです。)

それに引き替え、男だけが堕ちるとされている地獄は1カ所だけで、多情、多淫の為に美女を追い求めてやまなかったら衆合地獄「刀葉林」という場所に堕ちます。どんな地獄かというと、「木の上に美女がいて、うひょ~っと木をセッセと登っていくといつのまにか美女は地上にいる。セッセと地上に降りると、美女はやっぱり木の上にいる。というのが繰り返される地獄。」(ただし葉っぱがカミソリみたいになっているから体中切り刻まれる。)
日本の仏教は、男には若干優しく、逆に
女性にはかなり厳しい宗教のようです。

それにしても(地獄の刑期のように)、仏教の世界にはかなり大きな数字が出てきます。数の単位を漢字で書くと・・
一 、十、百、千、万、億、兆、京(けい)、垓(がい)、ジョ 、穣(じょう)、溝(こう)、澗(かん)、正(しょう)、載(さい)、極(ごく)、恒河沙(ゴウカシャ)、阿僧祇(アソウギ)、那由他(ナユタ)、不可思議(フカシギ)、無量(ムリョウ)大数(タイスウ)
となりますが、恒河沙~大数までは仏教用語なのだそうです。(恒河沙=ガンジス河の砂の数ほど多いという意味らしい)
ちなみに、阿弥陀仏の住む極楽浄土は、自分らの住む娑婆世界から、どれくらい離れた場所に住んでいるかご存知でしょうか

答えは、十京光年だそうです。(光の速さで1億年の10億倍かかる。計算の仕方では千京光年だという見方もあるようです。)
もう、100倍の誤差があってもなんのことやら、さっぱりわかりません。w
(詳しくは「冥途の旅はなぜ四十九日なのか」(柳谷 晃 著)を読んでみてください。)
↓最近読んだ(でる)本
 

「地獄のシステムってなによ!」を、そろそろ締めに入ろうと思うのですが、
仏教でいう「天国」と「地獄」も輪廻転生の中の1つであり、天国の神様も寿命が来れば、どこかの世界へ生まれ変わるのです。(天・人・修羅・畜生・餓鬼・地獄)←苦しみの少ない順
その輪廻の外にあるのが「仏界」になるそうです。
人間界は、「栄華を誇っても長く続くことはなく、精神的・肉体的苦痛の耐えない無常の世界」という苦しみの多い世界であり、生まれてすぐに煩悩が発生するわけで、仏教のルールで禁止されている軽罪的な事は、本来は折り込み済みであってしかるべきじゃないかと思うんです。
地獄で何兆年と苦しみを与えられて、罪を償ったとしても、六道の世界へ転生する限りでは(一般人では)繰り返してしまうと思うのです。
だから、仏教があり、「輪廻の果てへ飛び出そう」という考えがあるのでしょうが、生涯仏門で修行してもたどり着けるのかさえ微妙なのに、普通に仕事して生活しての一般人にはとうていたどり着く事は難しそうです。

だから、凡人の私みたいなのは、「そうゆうシステムってなによ!」って思ってしまいまうんですよね~。

余談ですが
鎌倉の円応寺には閻魔堂(十王堂)があるらしいのですが、その中に「閻魔大王の罪」と書かれた説明版があってこんな事が書かれているらしいです。(なかなか面白い?システムなんですよ。)
「閻魔大王は罪を犯したものを地獄に堕とす。そうして亡者を苦しめる事もまた罪になる為に『1日3回』、自分に従っていた獄卒(鬼とか)や亡者たちに捕えられ熱い鉄板の上で寝かされどろどろに溶けた銅を、口の中に流し込まれ、口から腸までただれきる刑を受けている。」らしいのです。
1日、3回もですよ。すごい大王です。立派?!です!上司の鑑です!

 

次号、最終章(長々で申し訳ございませんが)
「親父!親父の葬式は神式でおこなうから!うちは神道にするよ!」と宣言する。
で、終了としますw