12歳以下の3つの特徴とは何か
◇話をしっかり聞ける
12歳以下の特徴として人の話に耳が傾けられるようになる。
コーチの指示を理解してそれに応じた行動がとれるようになります。
『集合』『座って話を聞こう』
これだけで十分に伝わります。
これまで以上にTRの意味をしっかりと考えさせることに時間を割けます。
大切なのは『子どもたち自身に考えさせる』こと。
例えば…
あるTRで上手くできたチームに『なぜ上手くできたのか?』を尋ねる。
ここが重要なポイントなのです。
彼らの答えは仲間の意見なのでコーチの答えよりも心に響く。
自分たちにもっとも近い存在であること。
コーチが口にしたことは大人の意見だからと言い訳ができます。
でも同年代の意見は言い訳に使えない。
何より『負けたくない』という競争心が働き『次はこうやってみよう』と別の方法を自然に発想する。
ここが上達するための秘訣なのです。
例えば…
あるTRで選手が『パートナーを変えていい?』と提案してきたりします。
これは自ら考えている証拠であり自主性を育む良い機会になるのではないでしょうか。
TRの妨げにならなければその提案を受け入れてあげTRを進めてあげる。
◇準備や片付けができる
この年代の子どもたちのTRではコーチがTRの準備や片付けをすることはありません。
試合でピッチに立てば大人の力を借りることはできない。
12歳以下の子どもは人の話を理解できるようになっているのでコーチの役割はサッカーを指導することに比重が高くなっているし子どもたち自身もより上手くなりたいからサッカーの指導を望んでいる。
『自主性』はサッカーをプレーする上で欠かせない要素。
それはTRだけで培うものではない。
それ以外のところや日常生活の中から身に付けていくものです。
例えば…
片付ける時間なのにやらない子がいます。
そういう場合はどうするか。
片付ける子を褒めてあげる。
『〇〇ありがとう』と。
そうすれば褒められたいから『自分も』と動きます。
そして全員で片付けが終わったら『ありがとう』と必ずみんなに感謝の気持ちを伝えてあげる。
また『3グループに分かれて違う色のビブスを着よう』と伝えると…
特に何も言わなくても自然に仕切る子やフォローする子などが現れます。
サッカーは子どもたちのもの。
TRも子どもたちのもの。
TR時間は決まっている中でたくさんボールを触ったりTRがしたければ時間を短縮するのは準備や片付けです。
そこに時間を費やすほど損をするのは子どもたちです。
コーチがこれを当然のルールとして行動していれば選手たちも必然的にそうします。
12歳以下の子どもはできるけど当然U-8年代は難しい。
でも長い目を持って少しずつ自主的にやれるようになるように導いてあげる。
焦らずにじっくりと子どもたちと向き合うことが大事なのではないでしょうか。
◇顔を上げて状況判断を伴うTRができる
例えば…
TRで『3つのグループがボールを奪い合い最終的に数多くのボールを自分たちが保持していれば勝ち』というルール。
グループは3つでボールは3つという状況。
相手が2チームいて奪うべきボールと保持すべきボールが3つ。
自分たちの状況と周囲で起こっている状況を常に顔を上げて確認しながらプレーしなければなりません。
最終的に数多くのボールを持っているのが勝ち。
ボールを守るだけではなく奪うことも同時にやらなければならない。
全員で1つのボールを扱っていても残り2つのボールを別チームが持っていたら負けてしまう。
『守りながら攻める&攻めながら守る』
サッカーも同じす。
自分たちのチームが勝つためにはボールをたくさん保持するためには顔を上げて状況判断が欠かせない。
U-12年代だからこのTRができるわけではないことを知っておかなければなりません。
U-8年代のTRにはたくさん鬼ごっこを取り入れる。
その理由は『相手とボール』設定によっては『味方』がいてサッカーというスポーツと同じ状況を作ること。
スペースを見付けることは『どこに逃げようか』ということにつながります。
また子どもたちに鬼であれば『どんな作戦で捕まえようか』や逃げる側であれば『どんな作戦で逃げようか』と問いかける。
それは周囲の人間やスペースを考慮した状況によって自分たちの動き方が変わるからです。
サッカーで例えるとポジショニングや状況の認知・把握・判断という部分に関わるもの。
鬼ごっこはそれを自然にやらなければならない状況を生みやすい。
12歳以下になった時に『自分たちの力』でできるようになるために少しずつ積み上げていく。
花は…種を蒔き芽が出て咲くまで時間が掛かります。
子どもたちも同じ。
これはコーンを置いただけではできないTR。
もちろんドリル形式のTRが必要な場合もあります。
小さい頃から常に『相手とボールと味方』がいる状況の中でTRを積んでいければ試合に活きる子どもたちが達成感を得られるスキルを身に付けることができるのではないでしょうか。
☆U-12の特徴…まさにこの3つです。
この特徴を踏まえながらU-12の選手たちとは自立をテーマーに向き合う。
U-12年代になると様々なことを考え自分たちで答えを出せるようになります。
そこがおもしろいところです。
TRでは選手たちの頭をフル回転させることを意識しています。
『どうすれば…次こうしよう…』を常に連続で頭の中で働かせる。
子どもたちは大変ですが観察している方は楽しい(笑)
『自分たちの力でできる』ようになるために低学年からそういった種を蒔いてあげることが必要だと私は思います。
植村