世の大部分の医療法人の定款では、理事長の選任について「理事長は理事の互選で選任する」となっています。
医者同士(理事同士)の都合を考慮して、実務的な便宜のために、これを「理事長は理事の中から社員総会が選任する」に変更できないかを探るため、厚生省・某県庁と電話で話しましたが、結論として、理論的にはともかく、実務的に難しいと思いました。
すなわち、
厚生省との電話では、上記変更は医療法上、理論的には可能であるが、医療法人の場合、定款の変更は県庁の承諾が必要であり、理解が得られるかは県庁の担当者次第ではないかとの回答を得ました。
一方で、某県庁は、定款を変更する理由を検証してから考えるが、医療法上、理論的に難しいのではとのことでした。
某県庁のおっしゃる理論は私には理解不能でしたが、いくら説明しても、某県庁の快い承諾は得られにくいと実感した次第です。
理論の当否はさておき、厚生省の方の印象は、力みはなく、ソフトでものわかりがよいものでしたが、県庁の方は、仰ることがわかりにくいうえに、横柄で理屈っぽくて、10分も話していたら、疲れて気持ちが悪くなりました。
この差は許認可の有無にあります。許認可の権限がない厚生省は力みがなく、ニュートラルなのに対し、許認可の権限がある県庁は、前例踏襲主義・懐疑的です。
許認可の権限というのは、官僚の方の責任感やモチベーションを高めるといういい面もあるのかもしれませんが、一方で、許認可の権限を握るということは人間の心に傲慢さ・ひいては馴れ合い・癒着・不正という負の面ももたらすものであると実感しました。