2005年に、樹木希林さんが出演された、
「赤い鯨と白い蛇」という映画の音楽を担当したんです。公開は2006年。
かなり渋い映画で、あまり話題にはならなかったんだけど。
僕が現在までに、唯一映画全編の音楽を担当した作品です。
監督は「せんぼんよしこ」さんと言う方で、監督の意向は、
映画「禁じられた遊び」のように、全編に同じ曲が、淡々と流れる感じにしたいということで、
なぜか僕に依頼があったのです。
曲は予告編で使われているこの曲だけなんだけど、シーンに合わせてテンポを変えたり、
アレンジを変えたりして何度も出て来ます。
サントラは出てないし、配信もされてないので、幻の曲。
今手掛けているウクレレの楽譜集に収録する予定なので、楽しみにしていて下さい。
樹木希林さんとはお会いするチャンスはなかったんだけれど、この曲は聴いてくれていたはず。
なんだか不思議な気持ちです。
我ながら、天国で流れているメロディーのような気がして……。
僕の本にも出てくる、三鷹のマンションに住んでいたときに作ったから……
いろいろとヘビーな時期で、あんな時期だからこそ、こんなにシンプルな
メロディーが出来たのかな。
希林さん、安らかにお眠り下さい。