整形外科のクリニックさんから引用

診断

一般的に言われるより意外に多いという報告があります。

それは頚部痛を生じた場合、多くは整形外科を受診しますが、整形外科でこの疾患を念頭におかないと、「単なる首の痛み」、「寝違え」などとして自然に警戒してしまうからです。  

しかし全ての方が自然治癒するわけではなく重篤な症状に至る事があるので注意が必要です。

椎骨動脈は細いのでCTやMRIで診断が難しい場合があります。

痛みが軽度の場合整形外科を最初受診する事が多いため採血で炎症反応が少なく、MRIで整形外科疾患が見られず一側の頚部痛である場合は脳神経外科の受診をオススメしてます。


脳神経、脊髄クリニックさんから引用


そもそも椎骨動脈とは何か?

 

 私たちの脳を栄養するための血管として、左右の頚動脈と脳底動脈の3本の太い血管があります。

左右の頚動脈は左右の大脳に栄養し、脳底動脈は主に頭の後ろ側にある小脳や脳幹というところに血液を送っています。

 この脳幹は非常に重要な部分で、大脳からの神経を束ねまとめて脊髄神経に送る場所であり、意識の中枢がある場所であり、そして心臓や肺を動かす司令部分でもあります。また私たちの五感である目や耳、口を動かす脳神経の核がある重要な場所でもあります。

 そんな大事な脳幹を栄養する脳底動脈は1本しかありませんが、そこに流れ込む血管は左右2本あります。それが「椎骨動脈(ついこつどうみゃく)」です。

椎骨動脈は大事な血管なのですが、前述した頚動脈ほど太くありません。それゆえに損傷すると大変なことになってしまいますので、首の骨の中を通ることでうまく守られています。

ということで、椎骨動脈と呼ばれる理由がわかりましたね。

 

では、椎骨動脈解離とはどういう病気なのでしょうか?

 

 解離というのは、この場合血管の膜が剥がれてしまう状態を言います。

頭に血液を運ぶ動脈という血管は、大事なパイプラインなので血管壁が非常に頑丈にできています。

外から外膜、中膜、内膜の順に3層構造になっているのです。

 怖いのはその膜が破損して、破損部分から血液が勢いよく流れ込むことでどんどん膜を剥がしていってしまうことから動脈解離という病気になります。

 内膜だけの破損なのか、内膜と中膜の破損なのかにより病態は異なります。


内膜だけを破損した場合


 最も内側、つまり血液の流れに近いところで破損すると、破損した瞬間に血液は「内膜と中膜の間」に勢いよく流れ込みます。

この内膜と中膜の間のスペースを偽腔(ぎくう)と言います。

心臓から頭に向かう血液の本来の流れに対して、偽物のルートができてしまったという意味です。

 この膜が剥がれて偽腔ができるときに、頭の後ろがすごく痛くなります。

 

 内膜と中膜の間はもともと強く癒着しているので、血液の流れ込みが弱まれば解離もとまります。

ただ、その偽腔に入り込んだ血液がやがて固まって血栓となるので、その分だけ本来の血液の流れる血管腔が狭くなってしまいます。

つまり、頭に供給される血液不足で脳梗塞を起こす可能性があるのです。

 また解離が進行すると椎骨動脈だけでなくそこから分岐しているか他の血管にもダメージを与えていきますのでさらに広範囲で脳梗塞を起こす可能性があります。


症状としては、左右いずれかの頭の後ろ首の痛みを突然感じる事から始まりますが、なぜか右側の方が多いとされています。

解離が持続している間は強い痛みが持続し、その後血管腔が狭窄を起こす事により脳への血流が減り意識障害やめまい、嘔吐、手足の麻痺などの脳梗塞症状が出現します。

幸いにも血管腔が保たれている場合は痛みだけで終わってしまいます。

ですので、血圧を上げないようにして解離が進行しないようにして脳梗塞が起こっていないかをMRIでこまめに調べていく事が大事になります。

 

内膜と中膜を破損した場合

 

 内膜だけでなく中膜を破損した場合には、血液は一番外側の外膜と中膜の間にも入り込むことになります。その結果、血管は外に膨らむ事になりいわゆる動脈瘤(どうみゃくりゅう)を形成します。

頭蓋骨の中で動脈瘤から出血すると、「くも膜下出血」となり、命にかかわることになります。

ですので、この場合も動脈瘤が大きくなっていかないように血圧をあげないようにして安静治療が必要になります。

頭の後ろや首が痛くなった場合、寝違えた可能性もありますが、このような病気が潜んでいる可能性もありますので、すぐに検査をした方がよいと考えます。


後頭部の強い痛みと立ちくらみで発症した50歳の方です

MRAをおこなったところ、椎骨動脈(赤矢印)の描出が悪くなっています。

私から一言→毎年人間ドックでMRAもやってますが今の所、異常はないようです。もう、15年くらい毎年やってます。

私のように交通事故などで首にダメージを受けた事があって激しい頭痛やめまいに悩まされている方はまだこれ撮ってないようでしたら撮ってみた方が良いかもしれませんね。


こちらも是非ご覧下さい↓

椎骨動脈解離、原因、診断、検査、症状など


お読み頂きありがとうございました😊!お体ご自愛下さい。念頭に置かないと「単なる首の痛み」や「採血で炎症反応が少なく、MRIで整形疾患がみ一般に言われているより発生頻度は意外に多いという報告があります。

それは、項部痛を生じた場合多くは整形外科を受診しますが、整形外科でこの疾患を念頭に置かないと「単なる首の痛み」や「寝違い」などとして扱われそのうちに自然に軽快してしまうからです。しかし、すべての方が自然治癒するわけではなく、重篤な症状に至ることもありますから注意が必要です。

診断は、造影CTやMRIにて行います。クモ膜下出血を伴う場合は異常を把握しやすいですが、椎骨動脈は細いですのでCTやMRIでも診断が難しい場合があります。

この疾患は、整形外科疾患ではありませんが、痛みが軽度の場合最初に整形外科を受診することがおおいため、採血で炎症反応が少なく、MRIで整形疾患がみられず、一側の頚部痛である場合は脳神経外科の受診をおすすめしています。一般に言われているより発生頻度は意外に多いという報告があります。

それは、項部痛を生じた場合多くは整形外科を受診しますが、整形外科でこの疾患を念頭に置かないと「単なる首の痛み」や「寝違い」などとして扱われそのうちに自然に軽快してしまうからです。しかし、す方が自然治癒するわけではなく、重篤な症状に至ることもありますから注意が必要です。

診断は、造影CTやMRIにて行います。クモ膜下出血を伴う場合は異常を把握しやすいですが、椎骨動脈は細いですのでCTやMRIでも診断が難しい場合があります。

この疾患は、整形外科疾患ではありませんが、痛みが軽度の場合最初に整形外科を受診することがおおいため、採血で炎症反応が少なく、MRIで整形疾患がみられず、一側の頚部痛である場合は脳神経外科の受診をおすすめしています。