こんにちは。

 

 数日前、仕事でグループホームを訪問する機会があったのですが、グループホームは認知症の方を共同生活という形でケアする介護施設です。

 ちょっと、認知症に関して、運動などの予防効果を調べてみました上差し
 ご紹介したいと思います。


 認知症予防における運動の効果は、人を対象にした実験データによると、かなりの効果がすでに実証されているようです。


 高齢者の方々1年間軽い運動を行なってもらったところ、80%の人達に認知機能の改善が見られ、また、運動に音楽を組み合わせた音楽体操を1年間高齢者の方々に行なってもらったところ、運動のみの場合よりも、より高い認知機能の改善が見られたとのことでしたびっくり

 音楽に合わせて運動をすることは、音楽のリズムやテンポを理解し、自分の身体を音楽に合わせて動かし、さらに音楽に身体の動きが合ってるかどうかを即時に判断しなければいけないので、複雑な脳の働きを必要とします。

 このように運動だけでなく、運動と同時に他の思考回路も使うほうがより高い認知機能を得られるということです。
 また運動の種類と時間については、10分間ほどの軽いウォーキング(有酸素運動)でも脳の認知機能が高まることも分かっています。
 また、ウォーキングの場合、息が少し上がる程度の速さで、しっかりと心拍数が上がることが大切だそうです。

 
 認知症予防に、適度な運動(有酸素運動)が効果的なことは分かりましたが、では、どうして運動すると脳にいいのでしょうか?

〇運動すると、なぜ認知症予防になるの?

 今まで、認知症の原因として一番有力視されていたのが「老人斑」。これは、アミロイドβというタンパク質の一種で、脳の中にできるシミのようなものです。
 ところが、原因はそれだけではないことがアメリカの大学の研究で分かってきました。
 認知症の人と、そうでない人の脳を死後解剖して観察したところ、脳に老人斑がかなりできていても、生前、認知症を発症していなかった人が3人に1人いたそうです。

 脳の働きをよくするのに重要なホルモンは、いくつか知られていますが、その中でも一番重要といわれるのが、BDNF(脳由来神経栄養因子)というホルモンです。

 このタンパク質の一種「BDNF(脳由来神経栄養因子)」が脳内に多いと、海馬が大きくなり、老人斑があっても、認知症を発症しなかったということです。
 通常は、加齢とともに、BDNF(脳由来神経栄養因子)レベルは下がっていきます。アルツハイマー病の脳の海馬は、このBDNF(脳由来神経栄養因子)レベルが非常に下がっているのが特徴のようです。

 BDNF(脳由来神経栄養因子)レベルが下がると海馬は萎縮していきます。これが、アルツハイマー病の引き金となります。

 反対に、脳内にBDNF(脳由来神経栄養因子)が増えると、神経細胞の破壊が止まり、海馬が大きくなっていき、記憶の減退やアルツハイマー病の発症を防ぎます。
 
 これほど素晴らしい作用をもつBDNF(脳由来神経栄養因子)ですが、嬉しいことに運動によって増えることが分かっています。

 米国の大学の研究で、ネズミのカゴに車輪を入れて、1週間ネズミを毎晩走らせました。走ったネズミは、走らなかったネズミに比べて記憶力テストで成績が良いことが分かりました。
 しかもネズミの海馬を比較すると、運動したネズミはBDNFレベルが上がっていました。ネズミは、走る時間が長くなるほど、BDNFレベルも上昇していました。

 このネズミの実験で、運動によってBDNF(脳由来神経栄養因子)が増えることが分かり、その後、人での研究も進み、次のことが分かってきたそうです。

★人間の脳内のBDNFを増やす方法

1.適度の運動(有酸素運動)
2.頭を使うこと


 この2つを組み合わせて行なう運動が、たとえば暗算(100から3を引き算)しながらの速歩きや、音楽に合わせての軽い運動になります。


〇日常生活で身体を動かすことが認知症予防

 ウォーキング(速歩き)、ジョギング、サイクリングなどの定期的な有酸素運動は、認知症予防に効果的ですが、日常生活でのこまごまとした動作も、それぞれの小さな動きが積み重ねられることで、認知機能が高まるそうです。

 米国の80歳代の健常な高齢者500人に、腕に特別な装置を10日間つけてもらい、1日の活動量と認知機能テストとの関連性を調べましたところ、1日の総活動量が高いほど、認知機能テストのスコアが高かったそうです。
 これは年齢、性別、体重などに関係なく同じ結果とのことです。

 この結果から、日常生活での小さな動きであっても、それが積み重なれば、運動と同じ効果を脳にもたらすということが分かりました。

適度な運動は、脳の老化を食い止め認知症を予防します。

<まとめ>
・運動は、軽い運動(有酸素運動)でもOK!
・少し息があがるぐらいの速歩きのウォーキングなどを1日30分程、週3~4回するのが理想的
・簡単な暗算をしながらの速歩きなど、2つのことを同時にやりながらの運動が効果的
・音楽に合わせて身体を動かすのも効果的
・その他にも日常生活の中で、こまめに身体を動かすことも大切



このように、体を動かすことを習慣にすると、心身ともども良い効果をもたらしてくれるようです上差し