自慢することではないが、俺は料理が全っっっっっくできない。

高校卒業後に入った専門学校は寮だったので、食堂でメシが食えた。

卒業後就職した某ディーラーでも寮に入ってたし、一時期は当時付き合ってた娘が半同棲みたいに通ってメシ作ってくれてたので自炊の必要が一度も無かったからだ。

 

そんなワケで、

結婚してから長期休暇でヨメが子供連れて北海道に帰省とかすると、どうしてもその間の食事が問題になってくる。
最初の頃は自炊という行為が新鮮だったので色々やってみたことはある。野菜をひたすら刻み、軽く塩を振った鍋の底から葉物→根菜という順番になるよう層にして積み重ね、最後にもう一回塩を振って蓋をして煮る「重ね煮」はよく作った。水要らず、良い匂いがしてきたら火を止めるというシンプルな作業の割にはそのままでも食える程に美味く、保存がきいて他の料理に流用できるなど、作り貯めしとけば便利なものだった。しかし、それにもすぐ飽きた。

仕事から疲れて帰ってくると、一人分のメシを作る元気も無い。‥‥で、結局「実家にメシをタカりに行く」「コンビニ弁当で済ます」「牛丼屋に行く」「インスタントで済ます」からの選択となる。インスタントの場合は「チキンラーメン(卵入り)」か「日清焼きそば(袋麺)」の二択でさすがに後ろめたさが拭えないので、殆ど”免罪符”的な意味で納豆や野菜ジュースをメニューに追加する。

結局「ラク」が一番なのだ。

 

しかし今回のお留守番に際し、ヨメからあるミッションが言い渡されることになる。

「賞味期限が迫ってるものがあるから出来るだけそれらを消費して欲しい」

指定された食材は「鳥の胸肉(結構な量)」「マグロ切り落とし(加熱用)」「茄子(3本)」「えのき(結構な量)」「椎茸(結構な量)」「うどん(一玉)

 

俺は、「湯で煮る」か「フライパンで焼く」くらいしか出来ない。そういった前提で、俺が家族の帰省中に作った料理(という名の食材の成れの果て)のラインナップがこちらになります。

 

 

①元は鶏だった名も無きソテー

一口大に切った胸肉をポン酢(めんつゆ見つからなかった)とコショウと共にジップロックの中で揉みしだき、フライパンの上で焼いた妙に酸っぱい肉塊の群れ。付け合わせの刻みネギがしみじみ旨かった。これが無かったら正直キツかった。翌日お腹がちょっと緩かった気がするが、関連は定かではない。

 

②混沌の坩堝バター焼き

大量のえのきをどう処理しようかと考えた時、バター焼きしか思いつかなかった。アルミホイルで皿を作り、刻んだえのきを積み上げてマーガリン(バターが無かった)を乗せてオーブンで加熱。マーガリンの量も焼き具合もよく判らなかったのでテキトーにやったら、タプタプの黄色い海に浮かぶ謎の物体が出来上がった。味はまあ…食って死ぬようなものではなかった。

 

③有害物質入りマグロステーキ

パックの中で血が大量に出てたのでさっさと食わねばならないが、刺身ならまだしも生食禁止で中途半端な量しかないのでどうしようか迷った挙句、結局フライパンでシンプルに焼くことにする。味付けは塩コショウのみ。

フライパンにぶち込んだ際、実は底に隠れていた血吸いシート(ドラキュラシートというらしい)が一緒に投入されてしまい、しかも気付いて撤去するのが少し遅れてしばらく一緒に炒めてしまったためきっとカラダにはすこぶる良くない感じのエキスが隠し味となる。

 

④瑞々々々々しいだけの焼きシータケ

これもグリルで焼いて醤油垂らすくらいしか思いつかなかった。オーブンの中にクッキングシート敷いて茎と傘に切り分けたシイタケを並べ、ただ焼く。途中で醤油垂らしてまた焼く。何度も開けて確認するが、椎茸って思った以上に水が出てシート上にも水溜まりタプタプでちゃんと焼けてるのか不安。食えんことはなかったが、内部まで火が通ってるかどうかは怪しかった。ちなみにこれの調理中にオーブンのタイマーのツマミが脱落するというアクシデント発生。以降、タイマーの使用にはラジオペンチを突っ込んでシャフトを直接回すという面倒な仕様となる。当然、正確な時間の設定は不可だ。

 

セロリだと思ってマヨネーズかけて齧ったら小松菜だった

 

⑥特に指定されてはいなかったが、よく見たら全てキンタマみたいな皺が寄っててどー見ても消費期限ギリっぽかったので半ばバクチのつもりで1パック分食い切ったプチトマト

翌日心なしかお腹が緩かったような気が以下略

 

⑥ウェットに過ぎた日清焼うどんそば

「あの粉末ソースは麻薬」と謳われる日清焼きそばは俺の大好物なのだが、毎回二食分食うのに今回在庫には1食分しかなかった。で、一玉しかないうどん玉を追加して一緒に焼くことにする。俺は若干ウェットに仕上げるのが好みだが、うどんというイレギュラーのせいで水加減が難しい。「フッ。でも今日の俺はいつもと違うぜ。湯の蒸発を待たずとも理想的なタイミングでソースを混ぜる裏技を教えてもらったからな!」ドンブリの中に粉末ソースを入れ、頃合いを見てフライパンから湯切りした麺を移し、混ぜる。

ヨシ完璧!かと思いきや、考えてみれば焼きそばとうどんで2食分に増えている麺に対してソースが1食分な上に湯切りが甘かったらしく(水分過多)なんだか水っぽくて味も薄めな未知の炭水化物塊が出来た。控えめに言って失敗。

 

⑦ドナドナスビ

上記の失敗で心折れて、どうしたらいいか判らない茄子と小松菜とカビかけてた大根を実家に持ち込んで押し付けてきた。その晩はメシを奢ってもらった。

 

 

 

 

教訓:

オメーは金輪際台所に立つな。