面接後すぐ、会社から電話がかかってきた。
●山と名乗ったのでてっきり面接で会った専務さんだと思ったらまさかの社長。兄さんの方だった。
「こっ、この度はマコトにあwせdrftgyふじこlp」
自分でも引いちゃうほどに声が裏返っている。
電話の内容は、「鈑金はもうしたくないとのことだが新人に基本を指導してもらうことは可能か」「広報としての仕事以外に、メディア対応、グッズや新作エアロの開発、その一環として3Dプリンタの応用など考えているが興味はあるか」などを確認された。
以前から3Dプリンタには興味があった。しかしあのテの機械ってCADの知識とか必要じゃなかったっけ?
『あ、うちのはハンディの3Dスキャナで取り込むタイプだからそれは大丈夫ですよ』
オラちょっとワクワクしてきたゾ。…ん?いや待てこれってつまりもう就職決まりってことでオケ?
再就職が決まったら、その前日にハロワに提出しなければならない書類がある。(正確には報告だけで書類は後日でもいいらしいが)
それに就職先に記入してもらわなければならない欄があったので後日再訪問することになった。日曜に家族で出かけ、会社近くの本屋に家族を放流し、自分だけ書類持って会社へ。一時間くらいで済むだろうと思ってたからだ。
―――実際2時間超かかった。
理由は、専務に書類を渡した後に帰ろうとしたら「あ、社長が会いたいそうなんで」と言われ、その後会社の応接室で初対面となった社長と話が弾み過ぎたせいだった。かなり熱い人だった。
「いつから来れます?」
「今月末に最後の失業認定日があるんで、それだけ受けさせて貰えませんか?貰えるもん(失業手当)は貰っときたいんで。一応専務さんには6月に入ってからと伝えてあるんですが」
「ちょうどその辺りに2日かけて某業界誌の取材があるんですよ。編集長も来るんで、イワモトさん広報なら顔合わせしといた方が良いんじゃないかと」
「取材?!いきなりメディア対応ですか?!」
「さすがにそこまで構えなくても良いですよw 最初は撮影や洗車のお手伝いとかそんなんで」
「どれだけお役に立てるか判りませんが…」
「あ、それから一週間後に千葉のイベントに参加します。一緒に来てくださいね!」
「ち、千葉?!いきなり主張でつか」
なんかいきなり忙しくなりそうな予感。
とりあえず、
応募2件目にして再就職早々と完了!
おめでとう俺。頑張った俺。とにかくお祝いで奢ってくれる人は遠慮無く声かけてください。待ってます。
(続く)