私は「仕事をつくる」を待っていた | ぶっちゃけ税理士・岩松正記のブログ

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仙台市の税理士、岩松正記が書く、起業・ビジネスネタを中心に、ときどき読感やセミナー感想など。
山一證券の営業、アイリスオーヤマの財務・マーケティング、ベンチャー企業の上場担当役員等10年間に転職4回と無一文を経験後に開業。
モットーは「一蓮托生」

こんにちは。仙台の税理士、岩松正記です。

昨年、日経新聞に連載された、建築家、安藤忠雄氏の
「私の履歴書」が単行本化されました。
私はこれをずっと待っていました。


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私は昨年3月のブログでも書いたのですが、実は安藤氏の連載で
恩人が亡くなったことを知ったのです。

恩人の名は鈴木恵一さん。有限会社鈴恵建設の社長で、
私はかつて勤めていた会計事務所で鈴恵さんを担当していたのでした。

鈴木さんは見た目は怖い人でしたが心の底から優しい人で、
気遣いができてとても粋な社長でした。

前に勤めていた会計事務所への義理立てから、
私は退職後一切接触を持ちませんでしたが、
安藤忠雄氏の連載が始まった時、久々に鈴恵さんのことを思い出して
「私の知り合いで安藤忠雄さんと仲のいい人がいるんだよ!」と
周囲に自慢して回っていました。

鈴恵の社長と安藤忠雄氏は昔一緒に仕事をしてから
懇意にしていたそうで、お付き合いの様子を話してもらったり
したことを覚えています。

安藤忠雄氏が仙台に来ると必ず呼び出されていたそうで、
鈴恵さんは、安藤さんお気に入りのとび職の格好で会いに
行っていたそうです。


奇しくもそんな鈴恵さんとの交流の証拠を、
こんな形で知るとは、私は震災直後思いもしませんでした。


鈴恵の社長と疎遠にしていたのが残念でなりませんが、
逆に、安藤忠雄氏のおかげで死を知ることができたのを
私はものすごく感謝しています。
記事掲載のあと、ガソリン事情が改善された後に
鈴木さんの自宅へ行ってみたのですが、家には誰もおらず、
遺族と残念ながら連絡をとることはできませんでした。

ただ、こうやって本になったことで、
鈴恵さんの名前は永遠に残るわけです。

私は、それがすごくうれしい。

忘れ去られることなく、永久に鈴恵さんの名は残る。

だから私はこの本が出版されるのをずっと待っていました。

出版とは、かくも神聖なものだと思います。




この本を買ってパッと開いた頁が240頁で、
偶然にもそこが鈴恵の社長の連載記事の箇所でした。

あまりの偶然に驚きながらも、きっと鈴恵の社長も
喜んでいることだろうと信じたい気持ちでいっぱいになりました。



私はそんな感傷の気持ちいっぱいで読んでいますが、
安藤忠雄氏の生き様は本当にスゴイ。
是非とも読んでいただきたい一冊です。


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参考;私が震災後書いたブログです。

地震で亡くなった社長のこと
http://ameblo.jp/iwamatsu-masaki/entry-10846837372.html