愛知県 日進市……岩切先生の活動の拠点でもあるこの街で月に2回発行される広報誌の2011年2月15日号に記事が掲載されました
表紙にも大きく取り上げてもらってます
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心と体の温まる 音楽を通じた 健康づくり
「モーツァルトの音楽は健康にいい」新聞やテレビなどで取り上げられる事も多いこの話題。
穏やかな音色、心地よい響き、好きな音楽を聴いて癒された経験、みなさんにもあるのではないでしょうか。
岩切陽子さんは、日進市で活躍する日本音楽療法学会認定の音楽療法士。
音楽の持つ効果を使い、地域の健康づくりに取り組んでいます。
―― 心と体の健康を作る
「音楽療法って、ただ単に音楽を聴いてもらうだけではないんですよ」。
アフリカの民族楽器カリンバを手に、笑顔で話す岩切さん。
教室をのぞくと、音楽に合わせて体を動かしたり、歌を歌ったり、時には楽器を演奏してみたり。音楽を通じたさまざまなプログラムが用意されています。
高齢者の健康づくりのため、市の介護予防事業『コミュニティサロン』にも取り組んでいます。
市内に6館ある福祉会館で、歯科衛生士などと連携し、口腔機能の向上を中心とした教室を受け持ちます。
呼吸法を中心としたプログラムで体を温めた後は、お口の体操『パタカラ体操』。
『パ』・『タ』・『カ』・『ラ』の4音を、リズムに合わせて順に発声していきます。
小さな声で『パ・パ・パ』、
もうちょっと大きく『パ・パ・パ』、
もうちょっと大きく『パ・パ・パ』、
思いっきり『パーーーー』。
「声を出す事は、口の周りの筋肉や、腹筋、肺機能を鍛えます。発声する言葉で効果が違うんですよ」と岩切さん。
参加者の声も大きく出るようになり、その表情も和らいでいきます。
―― 相手に合った『音』
自然と耳に入ってくるものだけに、影響を与えやすい『音』。
音域や音質。岩切さんは音選びに細心の注意を払っています。
例えば、木や竹を使った民族楽器などの音は、電子楽器の音と比べ温かみがあり、歌う声の音域も、相手の声の高さに合わせることで自然に気持ちよく活性化します。
「相手が自然と安心できる音ってあるんですよ。話す声は子どもなら少し高く、年配の方なら少し低く。特に障がいを持った子どもたちには、こうした効果がてきめんに表れます。ですから、まず相手の気持ちを正しく理解する事が大切。事前の聞き取りと当日の反応で、効果的な引き出しを選び、相手に合った音選びを心掛けています」。
―― 元気のきっかけづくり
福祉会館や地域での教室。
多くの要望もあり、昨年2月から一般希望者を対象とした教室も始めました。
地域の元気を作るために必要なこと。岩切さんは『続けられる楽しさ』だと、笑顔で話してくれました。
「とにかく笑いがなければ駄目。苦しいだけでは続きません。楽しいことを続けるうちに、自然と心と体もあったまる。そんな教室を目指しています。今後、高齢化が進みますが、年齢を重ねても元気でいられたら幸せですよね。そんなきっかけづくりを、少しでもお手伝いしていけたらと思っています」。