帰省が楽しめないあなたへ | ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

25年以上1つの会社に健常者として勤務し、係長として人の上に立つようになった私が、
どのようにASD(自閉症スペクトラム)の特性と折り合いをつけて生活しているか、
その方法をお伝えしていきたいと思います。

新しい年に入りました。

ご自身や旦那様の実家に帰省されている方も、多いかと思います。

私も、昨日から実家に帰省しているのですが、
風邪がまだ治っていないのと、
やはり母に対して、とても気を遣って過ごしている為、
すぐに一人の時間が欲しくなってしまいます。

せっかく実家に帰ったのに、あまり別な部屋に引きこもっていると、
母が悲しい思いをするため、引きこもりを実行してはいませんが。
(ちなみに、スマホばかり触っていても寂しがるので、
母の前ではただひたすら、母と会話をするか、
一緒にテレビを観るようにしています)


でも、仕事が休みの貴重な休日を、
ただ誰かの為だけに費やしていたら、
自分自身が疲れ切ってしまい、
相手にも優しく出来なくなってしまいます。

だから私は、この母と2人の時間を、
自分の心を育てるために使うことにしました。

自分が過去に父から聞かされていた話が、実は嘘だったことを知った時、
私は40年もの間、自分を苦しめていた思いから解放されました。

そして、

「事実を確認することは大事だ」

と、あらためて思ったのです。

人が幼い頃に最初に経験した出来事は、
その後に経験する出来事よりも、
その人の人生に大きな影響を与えます。
(発達心理学では、これを「初期経験」と呼びます)

私の初期経験は、記憶にある限り、あまりいいものではありません。

けれど、この記憶の中にあるものが、
もし思い違いだったり、事実と違っていたりしたら、
私はまた、自分のことを、肯定的に捉えることが、
出来るようになるかもしれません。

そして何より、
私の過去の出来事を把握している唯一の人間である母は、
80歳を過ぎた高齢で、
いつ話が聞けなくなるのか、分からないのです。

ただ、いつでも過去の出来事の確認が、
幸せな方向に導いてくれるとは限りません。

もしかしたら、話を聴くことで、
過去の出来事を再確認してしまい、
辛い気持ちを、また味わうかもしれません。

私に、その覚悟があるだろうか?

密かに自分の心に問いかけた時に、答えは

「YES」

でした。

私は、自分を傷つけてきた事実と、
向き合う心構えが出来ていたのです。

だから私は、何気ない過去の話から、
自分が気になっていたことを、
母からさりげなく聞き出しました。

自分の心が軽くなるような新しい話は出てこず、
かえって辛い新事実を知ってしまったこともありました。

それでも私は、母の話に相づちを打ちながら、

「へ〜そうなんだ」

と、笑顔で接することが出来ました。


これは、誰に押し付けられたのでもない、
自分の意思で行った選択だったので、
話を聞いたことに、後悔はありませんでした。

人は、自分が決定したことについては、
積極的に肯定的な意味を見つけ出すものなのです。

高齢の母とは、話していると、時々母の死の話題が出ます。

それはもう必然のことなので、嫌な話題だからと受け流さずに、
母の意思を尊重するために、きちんと聞くようにしています。

母が亡くなる前に、こうして子供の頃の出来事の事実確認が出来るほど、
自分の心が強くなっていて良かった、と思います。

今、帰省している方で、
家族や親戚との団らんが楽しめていない方は、
自分の過去の出来事を語ってもらうと、
自分の興味があることなので真剣に聞くことが出来るし、
新たな発見があるかもしれません。

心の準備が出来ていない方に関しては、
あまりディープな話題に触れるのはお勧めしませんが。

行動することには、それだけの価値があります。

どうぞ皆さん、
有意義な時間をお過ごしください。