主演、ドゥニ・メノーシェ

監督、ドミニク・モル


2019年のドイツ、フランス合作映画。
同年東京国際映画祭コンペティション部門で最優秀女優賞と観客賞を受賞。
※この時のタイトルは『動物だけが知っている』

内容としましては
このブログの傾向とタイトルからすると雪国血みどろクライムサスペンス…な感じですが
猟奇的なシーンもほぼ無く、死ぬのは1人ですし、血もほとんど出てきません。
ただ雪国の田舎の静かな画面が特有の冷たさを感じさせます。


いや、この作品は完全に脚本にしてやられましたな!


人間は〈偶然〉には勝てない…


このコピーの秀逸さに思わず劇場で
『おぉ…』
と声が漏れたほどのやられた感です。

あのコーエン兄弟の名作〈ファーゴ〉を彷彿とさせるポスタービジュアル、コピーの良さ。


人間はおかしくて、悲しい




さて、舞台はフランスの雪深い山奥。
そこに住む羊飼いの孤独な男ジョセフが家の敷地内で失踪中の女性の遺体を見つける。
容疑者としてジョセフ、ジョセフと不倫関係にあるアリス、その夫ミシェル…
と前半は『うん…まぁそうね』という感じ。
しかしこの作品の主人公は実はジョセフではなく…

中盤から
『…ん?』
『どゆこと?』
『何で?コートジボワール?』
と予想を遥かに上回る意外な展開を見せます。

それぞれキーマンとなる人物の視点で描かれ紡がれていく摩訶不思議な『偶然』が生み出す悲劇…

いやこの脚本は凄いわ…

井川はファーゴの様なブラックコメディ的な要素も感じて、大好物な作品でした。

伏線の回収なども丁寧で2度、3度と見返しても面白い作品だと思います。


最後のシーンなんか胸が締め付けられながらほくそ笑むという初めての経験をさせてもらいましたよ。


こちらをエエイガワ118作目とさせていただきます。


ちなみに

見終わるまで気付きませんでしたが
ミシェル役のドゥニ・メノーシェは
あの〈イングロリアスバスターズ〉に出てた彼でした。





今回はこんな感じ。



悪なき笑顔やね。