主演、ハビエル・バルデム、トミー・リー・ジョーンズ
脚本、監督、コーエン兄弟
2007年の作品。
これまた、あのコーエン兄弟ものなんですが《ファーゴ》とは全然違うテイストのサイコスリラーものでありつつ
コーエン兄弟ならではの嫌らしい雰囲気はムンムンの大好きな嫌な作品です。
ストーリーはアメリカとメキシコの国境付近が舞台。
トミー・リー・ジョーンズ演じる保安官の拘束から逃げた殺し屋、ハビエル・バルデム演じるシガーの物語。
国境付近での麻薬取引のトラブルによって紛失した大金を手にしたジョシュ・ブローリン演じるモス、それを追う殺し屋シガー、保安官の語りで物語は進んでいきます。
当たり前のようになかなかの重厚感と緊張感で描かれていくんですが、特筆すべきというか、井川の度胆を抜いて『ウヒョッ!』と言わしめたのは何と言っても殺し屋シガーの殺害手法です。
(映画の大オチなどはもちろん書きませんが、殺害手法のネタバレが嫌な方は読まないでね)
あのね
シガーはね
殺し屋が使うナイフとか銃とかそういうよくある武器じゃなくてね
圧縮空気で殺すの。
分かる?圧縮空気。
分かりやすく言うとね
家畜用ピストルよ。
その昔、家畜を苦しませず一撃で確実に殺す為に使ってた、圧縮した空気でボルトを強烈な勢いで噴射するっていうアレよ。
アレを人に向けて容赦なく撃つのよ。
もう笑っちゃうよね。
そして何と言ってもこの映画の1番のキモはシガー役、ハビエル・バルデムの圧倒的な気持ち悪さ!!
コレが
最高です。
ちなみにこの人
あの難解かつ不条理極まりない問題作
【mother!】にも出ておられてまして
この異様な映画でも異彩を放っておられます。
毎年アカデミー賞とはあまり気が合わない井川ですが
この映画が2008年の監督賞、作品賞、助演男優賞(ハビエル・バルデム)を受賞したのは素直に嬉しいです。
かなりお気に入り映画なので思わず長くなってしまいましたが
誰かれ構わずオススメするかと言うと
絶対しません。
そういう映画です。
コチラをエエイガワ57作目とさせていただきます。
追伸
ハビエル・バルデム様
大変遅くなりましたが
助演男優賞おめでとうございます。