県立北総花の丘公園内の調整池に生息し、糞などの生活環境被害をもたらしているカワウ問題。6/14には民放テレビ番組でも取り上げられ、市民の関心が高まる中、県はカワウ対策として、周辺樹木の枝払いを実施することを決めています。

 

 

日本各地の川や河口付近に生息するカワウ。1970年代には環境汚染などにより全国で3千羽にまで減少したものの、水質が改善され現在は約7万羽にまで増えています。過去には花の丘公園内に2千羽近いカワウが確認されており、これは県内生息数の3割に上っていたことになります。

 

問題となっているのは、糞による生活環境被害です。カワウの糞は窒素やリンを含有しているため、公園内の草木を根元から枯らすなど自然環境に深刻な影響を与えています。また、公園に隣接する住宅街では、「糞の臭いがひどい」「洗濯物を外に干しておけない」「車のボンネットが汚れる」などの悲鳴が上がっているのです。

 

地元自治会ではカワウ被害対策の委員会を設けています。県土木事務所など関係機関への働きかけを行う一方、ポンプ車を利用した巣への放水、自治会で購入した「音追いピストル」による追い払い等のカワウ対策を実施。地元選出県議である岩井にも連絡をいただき、ドローンを活用した高所での追い払いや獣害防除用の「リンロンテープ」の設置など働きかけてきたものの、十分な効果が得られてこなかったのが実情です。

 

県では今年度のカワウ対策として、これまで行ってきたリンロンテープの設置に代わり、木の伐採(枝払い)を行うとのこと。対象となるのは、例年カワウが巣作りをしてきた、池に面する約2600平米で、巣作りを始める前の7月から10月に作業を行いたいとしています。

 

ただ、作業を行う現場の特殊性から水面側から伐採を行わなければならず、その困難さから手を挙げる業者は多くありません。7/6時点で競争入札を実施要件である「3者以上の見積もり」がなく、作業日程が定まらない状況となっています。

 

県担当課は枝払いによる対策を集中して行うべく、業者選定に全力と尽くしたいとしているところ。効果が上がる時期は限られており、岩井としても引き続き働きかけてまいります。